イラスト: 伊佐 義勇
# 哲学

死にたくなったら…哲学が語る、「自殺」の前にまず考えるべきこと

ショーペンハウアー先生の特別授業

悩む若者はもっと生きていい

今「自殺」を考えている方、死んではいけない。

絶対死んではいけない。

一度や二度自殺を考える人のほうがまともなのです。通常の感受性があればそういうことを考えてしまうものです。

鈍感で人に迷惑をかけていても平気な人はそんなことは考えません。だから考えてしまう人は貴重なのです。

ああ、俺はもうダメだと落ち込むことはあるでしょう。しかしそういう人がこの世の中を支え変えていくのです。

イラスト:伊佐 義勇 

自分の損得しか考えない悩まない人もおります。こんな人間に同じ空気を吸わせる必要があるのかと疑問に思う人もおります。人間らしい心がない人も実際見てきました。そんな人にも日本国憲法は人権を認めているのです。

よって悩む通常の人はもっと生きていいのです。

日本は、いわゆる若年層、15~39歳の各年代の死因の第1位は「自殺」であります。

ずっとそうです。先進国では最悪です。世界的に見ても異常な数値です。昔から何故か日本は若年層の自殺が多いのです。

 

高校の同級生の死

私が大学4年の時高校の同級生が自殺しました。

これが私の身の回りで起きた最初の自殺です。この同級生は電気工学をやっていたのでコードを心臓の周りに設置して一瞬で死んでいたそうです。大学が違うので何が起きたかわかりませんでした。

近所に住んでいた同級生たちがすぐに彼の家に行ったもののご両親がひどいショックを受けておられて誰にも会いたくないというばかりだったそうです。結局私も含めてだれも葬式にも出られませんでした。

この同級生の死は信じられませんでした。身長185センチ、格好良くて、ケンカも強く、しかもいつも面白いことを言って笑わせておりました。要は超明るい人間なのです。

もちろん高校を卒業して4年経っているので何かがあったのでしょう。それでもみんな信じられませんでした。なぜ心の悩みを相談してくれなかったんだと彼の親しい友人たちは言っておりました。

今では私もジジイになりましたので10代、20代の若い人が自殺したと聞くと、

(何も死ぬことはないよ。死んだほうがいい悪い奴はいっぱいるじゃないか。まだまだ色々幸福になるチャンスがたくさんあるのに)

と思ってしまうのです。

しかし若い頃は気分がその日によってジェットコースターのように変わってしまう。感受性が強い人ほどそんな風になる。

イラスト:伊佐 義勇 

自殺願望を持つ若者たち

昨年座間市で発覚した例の殺人事件を皆さん覚えているでしょう。自殺願望の9人の若者が呼び出されて殺された、あの事件です。殺人者の異常性には当然驚きましたが、私が気になったのは9人の内のほとんどが10代の少年少女であったことです。

何とかならなかったのかと思うのです。