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メルカリの苦戦にみる「なぜ日本にはユニコーンが生まれないのか」

「やっぱり米中はスゴイ」から脱却せよ

「ユニコーン」が米中に突出して多い理由

日本で数少ない「ユニコーン」と呼ばれているメルカリ。同社は2018年6月に上場を果たした。しかし、6月に7000億円超だった同社の時価総額は、現在では4078億円(11月19日現在)まで下がっており、株式市場での評価は分かれている。

ユニコーンとは、未上場企業の中で、米ドルベースで10億ドル(約1150億円)の時価総額を超過している企業を指す(メルカリは未上場企業ではなくなったため、厳密に言えば、もうユニコーンではない)。

日本経済新聞社やCB Insight社(米国)の資料を見ても、日本におけるユニコーンはメルカリ以外では1社のみ(プリファード・ネットワークス社)である。日本政府も、ユニコーンを日本でも増やそうと色々な対策を考えているようだ。

日本のビジネス界で数少ない期待の星とも言えるメルカリだが、11月8日に発表した2018年7~9月期の連結決算は、28億円の税引き赤字となった。同期間の売上高は前年比45%増の105億円だが、先行投資する海外事業や金融事業の負担が収益の足を引っ張った模様である。

同社は2014年に米国へ進出し、今年で4年目となる。圧倒的な規模を持つ米国市場は魅力的だが、同国ではイーベイやオファーアップなど競合相手も手ごわい。顧客獲得だけでなく、人材の獲得も激化しており、同社の米国ビジネスの離陸を遅らせている。

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メルカリの米国での苦戦は、日本においてユニコーンがなかなか育たないことと密接に結びついている。それは、ユニコーンが生まれるためには、それぞれの企業が出自とする母国市場(マザーマーケット)の大小が影響するためである。

実際、CB Insight社のユニコーンランキングを見ると、米中が突出している。ユニコーンと呼ばれる企業数は世界で220社ある。このうち、米国が109社、中国が59社となっており、この2カ国だけで76%を占めている。

欧州は28社。アジアでは、インドが10社、韓国とインドネシアが2社、シンガポールが1社。日本は、シンガポールと同じく1社に留まっている。

米国、中国、インドと、母国の人口や経済規模が大きなところでユニコーンが育っているのは明らかだ。インドは英語を操れる人口が多いため、米国市場を取り込めることも大きい。

つまり日本でユニコーンが育つには、当該日本企業が、米国か中国のどちらか、あるいは両方で成功することが鍵となる。メルカリはいま、その壁にぶち当たっているともいえる。