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ハーバード新入生の合言葉「君は何を持っているの?」が意味するもの

アジア系は不当に差別されているのか

米国のエリート養成校として有名なハーバード大学。今、その入学審査を巡る裁判が全米で静かな関心を集めている。

先月から今月にかけ約3週間にわたり開かれた審理では、原告・被告双方の証拠資料や証言などから、今まで外部には隠されてきた同大学の合否審査に関する実態が明らかにされた。

それによれば、民族的にはアフリカ系志願者の合格率が最も高く、アジア系が最も低かった。またハーバード大学の卒業生や職員、大口寄付金者らの子女への優遇措置など、縁故入学の実数値も詳らかにされた。

今回の裁判は単に同大に留まらず、米国における「差別是正措置(affirmative action)」の行方、ひいては「公正さ(fairness)」や「実力主義(meritocracy)」「多様性(diversity)」など基本的価値観に対する、アメリカ人の考え方にも少なからぬ影響を与えると見られている。

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米大学の入学審査プロセス

この裁判は、これまでアジア系アメリカ人がハーバード大学をはじめ「アイビーリーグ校」、つまり伝統的名門校の入学審査基準に対して抱いてきた不満に端を発する訴訟だ。が、その説明に入る前に、米国の大学における合否審査のプロセスをお伝えしておく必要があるだろう。

ご存じの方も多いかと思うが、米国の大学における合否審査基準は、日本や韓国の大学のような学力テスト重視の選考基準とは大きく異なる。

もちろん「SAT(Scholastic Assesment Test:学力評価試験)」や「ACT(American College Testing program)」など学力を評価する共通テストの成績も考慮されるが、それは大学の入学審査プロセス全体のごく一部を占めるに過ぎない。

つまり(こうした共通テストの点数以外に)志願者の日頃の学業成績、推薦状、エッセイ、スポーツやボランティア活動のような課外活動の成果などが志望大学に提出され、それらを踏まえて入学面接を実施。これらを総合的に審査することで志願者の合格・不合格が決定される。

以上の選考プロセスにより、志願者の多面的な能力や社会的貢献度、将来へのポテンシャル、そして(大学生活への)適性などが評価できる、とされる。

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