認知症の薬は、使い方を誤ると怖い「副作用」を引き起こす

後悔する前に知っておきたいこと
上村 悦子 プロフィール

認知症とつきあっていくために大切な2つのこと

2つのケースは正反対の結果に終わっている。もちろん、老人の認知症か若年性の認知症かという違いはあるが、結局のところ、抗認知症薬は介護の敵なのか、味方なのか。

私が話を聞いたある専門医は、「薬はさじ加減が大事だ」と語っている。アリセプトを含む現在の抗認知症薬は、かんたんにいえば神経の伝達効率を上げる薬や、脳を保護する薬だ。つまり神経と神経の連携を維持・改善して、物忘れを少しでも軽くするのが目的なのだ。それが効きすぎると、イライラ感が出て不安定になってしまうこともある。また、薬によってはめまいや失禁などの副作用も起こり得る。

当然、薬を使わないほうがいい人もいるし、服用して本人の様子に異変を感じたり、あまりに興奮するようであれば家族や介護者がそのことをきちんと医師にフィードバックする必要があるという。

つまり、「とりあえず飲めばいい」という薬ではなく、適切な処方ときちんとした経過観察が必要なのである。役には立つが要注意ということだろう。結局のところ薬だけでは、認知症とうまくつきあってはいけないのだ。

では薬の他に、何が必要なのだろう。先に紹介した藤田さんは、「薬のさじ加減」の他にもう1つ、「まわりの対応」が大事だとコメントしている。周囲の人の対応如何で本人の身心が安定し、サポートする側もされる側もラクになれるというのである。そんな「認知症の人に接するときの心がけ」を、藤田さんほか数人の識者が『あなたが介護で後悔する35のこと』で詳しく解説してくださった。

親のあるいはパートナーの認知症が心配な人、今まさに介護で悪戦苦闘している人は、この機会にぜひご一読いただきたい。「もう少し早く知っていれば……」という後悔は、しないですむかもしれない。

【写真】周囲の対応如何で、サポートする側もされる側もラクになれる
  周囲の人の対応如何で本人の身心が安定し、サポートする側もされる側もラクになれる photo by gettyimages

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そして、後悔しないための8つの心得

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上村 悦子

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家で看ても施設に預けても、兄弟姉妹・親類縁者と仲が良くても悪くても、終の棲家がどこであっても、悔いなく終わった介護はひとつとしてない。でも、後悔は必ず減らせます。介護の“先輩”たちの体験を徹底取材。迷ったとき「どうすればいいか」がわかる本です!