あなたは部下の提案に否定から入って、嫌われていませんか?

上司と部下の「不幸な関係」はもうたくさん
河合 太介 プロフィール

そうはならないであろう。

結果、部下は思ったようには張り切って仕事をしてくれず、上司は、そんな部下を信頼しきれなくなり、一人で仕事を抱え、仕事の多重債務に陥り、挙句の果てには忙しいばかりで何をやっているのかわからないような状態になり、リーダー自身が一番疲れてしまう。

そして、そんな上司の姿を見て、リーダーなんてなりたくないと部下は思ってしまう、という悪循環が生まれる。

誰も幸せにならない。ということは、どこか今のリーダーシップの在り方が根本的に間違っていると思わなければならない。

 

大切にしたい4つの感情スイッチ

これまで25年を超えるコンサルティング人生の中で、役職にかかわらず、リーダーとして素晴らしい人たちに数多く出会ってきた。

その本物と呼べるリーダーの特徴は、彼ら彼女らは無理やり人を引っ張っているのではなく、自然と人がその人についてきている状態になっていることである。

そんな本物のリーダーを観察・分析していると、彼ら彼女らがしっかり実践していることがあった。それは、「人が人と関わるうえで、あたり前だけど大切なこと」、これを見えるところ見えないところで、実践しているのである。

自然とついてくるように(photo by iStock)

この「あたり前だけど大切なこと」とは、部下の「心」に誰よりも正面から向き合おうとすることである。やはりリーダーシップは、人が人に対して働きかけることなのだから、人としての心をつかまない限り、正論を並べて従わせようとしたところで、人は心から動いてはくれないのである。

実は、この部下の「心」の中でも、特に大切にしたい感情スイッチが4つある。

それは「信頼感」「達成感」「不安感」「効力感」という感情である。

本書では、その感情スイッチを押せるようになるために、具体的にどう行動したらよいのかを紹介する。読んでいてイメージがわきやすいように、4人の登場人物で話が進む物語形式の書籍となっている。

理想論や机上の空論ではなく、全て、私が出会ってきた本物のリーダーの実践をもとにした有効性の高い行動である。

かと言って、特別な能力が必要なものは一つもない。全て習慣の問題である。それゆえ、どんな人でも、自分次第でいつでも、何歳からでも身につけることができる。

楽しみながら読んで頂き、何か一つでも実践に移して頂ければ幸甚の極みである。

読書人の雑誌『本』(2018年12月号)より
 

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