職場の雰囲気は上司がつくる

あなたは部下の提案に否定から入って、嫌われていませんか?

上司と部下の「不幸な関係」はもうたくさん

上司も深く悩んでいる

『不機嫌な職場』(講談社現代新書)を上梓して10年。書籍は28万部超のベストセラーとなったものの、残念ながら不機嫌な職場は減っている様相がない。

実際、2017年に公表された米ギャラップ社の調査によると、「熱意あふれる社員」が、日本はわずか6%であり、139ヵ国中132位という始末だ。

この根本原因は、日本における「上司或いは指導者と呼ばれる立場の人」のリーダーシップの在り方にある、というのが新刊『本物のリーダーは引っ張らない』を執筆するにあたっての問題意識の出発点だ。

間違った認識に基づくリーダーシップの在り方のせいで、部下はやる気が起きないし、職場の空気が悪くなる。

 

一方、上司の方も、どうして部下が思ったように動かないのか、どうやったら部下をまとめられるのかと密かに、しかし、深く悩んでいる。実は、どちらかではなく、お互いが不幸になっているのである。

部下をうまくマネジメントできず悩んでいる上司。部下にとって悩み深い上司。実は、これは同じ人である。それは、

「単純に指示・命令をして自分に従わせること」

がリーダーシップ行動になってしまっている人、或いは上司になったらそうできると思い違えている人である。

みんな悩んでいる(photo by iStock)

自分が「正」だと考えてしまう

研修の場で「リーダーシップをひとことで言うと?」と尋ねると、「引っ張ること」と答える人は多い。しかし、これは明らかにリーダーとして引っ張るという言葉の趣旨を履き違えている。

犬や猫などであっても、首に縄をつけて無理やり引っ張って従わせようとしたら、嫌がる。ましてや人間がそのようにされて心地良く動けるはずがない。

そんなに引っ張らなくても……(photo by iStock)

しかし、現実社会においては、リーダーの立場になった人の行動の基軸が、(無意識的なものも含めて)自分に従わせようとすることになっている場合が多いのである。

実際、リーダー研修の場で、課題だと思う自分の癖を内省してもらうと、「答えを言ってしまう」「部下の提案に否定から入ってしまう」「自分が一方的に話してしまう」「細かく指示を与えすぎる」「結局は自分でやってしまう」等という行動が頻出する。

これらは全て、心のどこかで自分が「正」だと考えてしまい、そんな「正」である自分に従わせようとしてしまうことに起因する行動である。

逆の立場に立って、自分が部下だとしたら、これらの行動をされて、仕事のモチベーションがあがるだろうか。仕事が面白いと思うだろうか。