女子東大院生が、現代新書編集部を直撃して驚いたこと②

オビはファッションの最先端をゆく
現代新書編集部 プロフィール

ヨネ パッと見て目立つ鮮やかな赤は、よく使われる。カラーガイドのチップが切られすぎて、なくなっているほどだ。

ナナ 奇抜すぎず、受け入れられるファッションをどうつくるか――読者に気に入ってもらうためには、手に取ってもらうためには、見えざる苦労をいっぱい積み重ねているんですね。

ヨネ その苦労がとても面白い。あーでもないこーでもないと鏡の前で服を選んでいるときの楽しさにも似ていて。

ナナ 他の印象的なオビは何ですか?

ヨネ 色だけでなく、目を引くビジュアルで面白さを狙ったのは、稲穂健市さんの『楽しく学べる「知財」入門』。「C」が4つ並んだ画像の下には「これからのビジネスは知的財産が決め手!!」としか書いていない。

何だ、これは?

ナナ このオビ、ネットでも話題になっていたのを覚えています。 周りの人に教えたくなる、トリビア的な要素もありますね。

ヨネ 結果論だけど、この本の重要なテーマである著作権、つまりコピーライトを示す「C」を前面に打ち出せてもいる。

ナナ 河合雅司さんの『未来の年表』はどうでしょうか? これは、オビも太いですし、文字も多いように思いますが……。

ヨネ 年表はふつうはタテに読まれるものだから、太いオビでタテに読ませるのも仕方ないと思った。ただし、ひとつひとつの文言はスパスパと短く。「2020年 女性の半数が50歳超え」「2027年 輸血用血液が不足」というように、短く言い切っているところが結果的に響いたのだと思う。

年表だからタテに読ませる


ナナ 年表だからタテ書きだったのですか。それぞれのフレーズが簡潔ですし、目に入ったところから読むことができますよね。オビをつくるときのこだわり、徐々にわかってきました。

では、現代新書に限らず、新書のオビでこれは良いなあ、と感じるものがあれば、教えてください!

ヨネ 中公新書の呉座勇一さんの『応仁の乱』は素晴らしいと思った。たった一言で言い切っている。

ナナ 「日本社会を変えた歴史の転換点」ですね。シンプルなのに、スケールの壮大さがあらわれています。

オビの余白が印象的


ヨネ 「たった一言書いただけで50万部近く売れるのか!」と衝撃的だった。オビの余白もふんだんにあることがむしろ、目を引く。

ナナ 目を引くキャッチコピーを考える……、オビの文言を考えるのは、コピーライターの仕事と近いところがあるのかもしれないと感じます。

ヨネ それから、同じく中公新書の楠木新さん『定年後』。「人生は後半戦が勝負!」。中公新書ラクレの五木寛之『孤独のすすめ』のオビ、「孤独という自由を手に入れる」。そして語りかけてくる顔。このくらいのシンプルさがステキ。

シブい!


ナナ ぐっときますね……。私も「孤独になりたい〜!」って思いますもん。

ヨネ え!? 孤独になりたいの……。

ナナ あ……なんでもありません。ともかく、今回のお話で、オビは編集者のこだわりが凝縮されたものということがよく分かりました。

ヨネ 単純に並んでいるようだけれど、一冊が形になるまでには何時間、何十時間という試行錯誤が詰まっている。さて、「オビ論」はここまでということで。

ナナ ……あの、本づくりって、オビよりも前に、まずは本にする企画を立てるところから始まるのですよね? 私、そもそも本の企画がどのように生まれるのか、とても興味が出てきました!

ヨネ そうか! じゃあ、現代新書の企画会議に潜入してみる? これがまた、各自の持ってきた企画が採用されるまでひと苦労なのよ……。

ナナ はい! 厳しそうだけど……ぜひ潜入してみたいです!

(次回、ヨネがコテンパンにされる「企画会議編」に続く!)

タイトルと交換可能なほどのシンプルなオビ文言