

新しい傾き錯視&静止画が動いて見える錯視である『トゲトゲドリフト錯視』(上)とその動きの錯視を4ストローク運動に還元して説明する図(左下)。北岡によれば『フレーザー錯視群』は要素の違いから線・エッジ・混合の3つのタイプから成り(右下)、そのうちトゲトゲドリフト錯視は混合タイプと考えられる
創作錯視図形「蛇の回転」
もう一つ静止画が動いて見える錯視に「フレーザー・ウィルコックス錯視」がある。これは輝度勾配のある面をのこぎり刃状に並べて描くと、並べたパターンが「暗→明」または「明→暗」の方向に動いて見えるというものだ。
北岡はこの原理を用い、「蛇の回転」というユニークな錯視図形を創作している。

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加えて輝度勾配によって脳の処理速度が異なることを活用した錯視作品も作成。それが「ハートが動いて見える錯視」だ。

「輝度のコントラストの高いところは脳内処理速度が速く、低いところは処理速度が遅いため知覚に時間差が生じます。輝度のコントラストが高いところが先に見え、輝度のコントラストの低いところ(ハートの輪郭)が後から見えるため、図を動かすとハートが動いて見えるのです」