遺産相続の「得する、損する」のウソ・ホント…これが「正解」だ!

ルールが激変する前に知るべきこと
週刊現代 プロフィール

実家はいまのうちに売ったほうがいい

いまは東京オリンピック前で、都心の地価は高止まっている。だが、長期的にみれば、2020年を境に全国的に不動産価格が下落していくと見る専門家は多い。

「親と子が同居しておらず、売却資金を使い老人ホームへの入居を検討しているのであれば、いまが実家を売るチャンスかもしれません。子どもが同居していない場合は、相続しても、小規模宅地等の特例という大幅減税の特典が使えないからです」(曽根氏)

ある程度の値段がつくうちに、売ってしまうというわけだ。

特に実家が夫婦の共同名義になっているなら、いま売却するメリットが高まる。

「マイホームを売却する場合、居住用財産を譲渡した場合の特別控除が受けられますが、控除額は3000万円に上ります。

それが夫婦共同名義ならば、それぞれ3000万円のダブル控除が受けられる。夫2分の1、妻2分の1の共同名義なら、6000万円の控除が受けられます」(曽根氏)

将来、値段が下がってしまえば、控除のメリットも活かせなくなる。

実家が空き家となってしまっている場合も、いま売ったほうがいい。

「実家を空き家のままにしておくと、固定資産税が出ていくだけです。住む目的がなく、収益性が見込めない不動産は資産とは呼べません。すでに相続している場合なら、なおのこと急いで売るべきです。

現在は空き家を売ったときの特例で、3000万円の控除を受けることができるが、これは19年いっぱいまでの特例なのです」(吉澤氏)

 

生前贈与は、誰でもやったほうがいい

相続と生前贈与、どちらが得なのか?

生前贈与は相続税の節税目的に使われることが多い。だが多額の相続税がかかる資産がある人にはメリットはあるが、そうでない人にメリットは少ない。

今回の民法改正では、婚姻期間20年以上の妻へ生前贈与すれば、遺産分割の対象から完全に外されることになり、生前贈与は妻にとってお得な方法になった。

また妻は生前贈与を受ける際、2000万円までなら非課税の配偶者控除を受けられる。相続時の遺産分割の際に、有利になるので、妻にとって、生前贈与は得な方法に見える。

しかし問題は、相続に比べると、手続きのためのコストが高いことだ。

「贈与を受けた場合は、相続ではかからない『不動産取得税』(固定資産税評価額の4%。軽減特例あり)がかかります。また、登記の登録免許税は固定資産税評価額の2%で、相続時の5倍です。贈与は相続に比べコスト高といえます」(曽根氏)

相続がいいのか、贈与を選ぶのがいいのか、その線引きはどこにある?

「資産が基礎控除の枠内かどうかが、一つの目安になるでしょう。基礎控除は3000万円+法定相続人数×600万円。相続人が3人なら4800万円が生前贈与を検討するかどうかの分岐点。それ以上の資産がある人は、贈与の検討の価値があります」(曽根氏)