セブン銀行社長が語る 「新しい銀行」はこうして儲ける!

「おつり投資」もスタート
山下 知志 プロフィール

LINE Payとも新しい提携

──キャッシュレス社会が進んだことで、セブン銀行のATM利用件数もやや鈍化傾向にあります。

舟竹:開業当初から比べると、厳しくなっていることは事実です。キャッシュを使う回数が少なくなっている。従来のATMビジネスの環境は非常に厳しくなっているといえます。

しかし、変化の時代にはいろいろなビジネスが必ず生まれてくるものです。これから、さらにデジタル決済やキャッシュレス化が進んだとしても、ATMというリアルな場所が不要になることはありません。リアルとバーチャルの接点を求める動きも一方ではあるのです。

 

実際に、たとえばLINE Payソフトバンク・ペイメント・サービスなど新しいペイメント事業者から、私たちのATMと提携したいという話がありました。現在、セブン銀行のATMを使えばチャージや出金ができるようになっています。通常、銀行口座を登録してあれば、ATMを利用しなくても、スマホの中で完結するのですが、利用者の側からすれば、何かあったときにATMにいってお金を預け入れられる、お金を引き出せるリアルな拠点とつながっているという安心感を求めているのだと思います。

──ATMは新しい需要を取り込んでいくということですね。

舟竹:お客様の生活の動線上にセブン銀行のATMがあるのですが、従来の現金の入出金に使う端末だけでなくて、変化の時代にはいろいろな利用のされ方があるのではないかと思っています。

セブン銀行は流通小売から生まれた会社ですし、普通の銀行と同じことをやっていてもしかたありません。何か新しいことをやらなければならない。そうはいっても、従来の銀行の後追いではおもしろくありません。やはり、新しいマーケットなりを生み出していく必要があります。

ATMの入出金という使われ方だけではたしかに厳しくなっているかもしれまぜんが、一方でデジタル決済、キャッシュレス化のなかで、リアルな拠点とバーチャルな世界との接点としてのATMは、新たなビジネスを紡ぎ出していけるのではないか。いろいろなチャレンジをしていけると考えています。

──チャレンジという点でいえば、舟竹社長が副社長時代の2016年に「セブン・ラボ」というチームを立ち上げました。

ベンチャー・キャピタル・ファンドのWiLとの出会い

舟竹:2014年ごろから、オープン・イノベーションなどが盛んにいわれていたなかで、当社も何かやらなければと思っていました。そんなときに、日本と米国シリコンバレーに拠点を持つベンチャー・キャピタル・ファンドWiLから、出資しませんかという話が持ち込まれたのです。この出会いが、新しい世界に飛び込むきっかけになりました。

photo by iStock

WiLに出資したことで、ベンチャー企業やスタートアップをはじめ、さまざまな企業との交流が生まれました。新たな世界が広がっていったのです。新たなビジネスやサービスに結びつく可能性のある有益な情報も入ってくる。相手方との提携の話などもありました。

サービスの創出だけでなく、シナジーも期待できる。これはノベーションを生み出せる可能性があるのではないか。それならば社内に窓口になって、外部との交流を深め、情報の収集と集約を専門的に扱う組織があったほうがいい。そこで立ち上げたのがセブン・ラボでした。

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