インタビューに答える舟竹泰昭社長

セブン銀行社長が語る 「新しい銀行」はこうして儲ける!

「おつり投資」もスタート

メガバンクに激震が走った──。
三菱UFJ銀行と三井住友銀行は、2019年前半にも相互にATMを開放する。入出金や口座管理などを行う勘定系システムの移行を進めているみずほ銀行も、システム移行後に合流する可能性が高い。共通化で重複するATMを減らし、経費を年間数十億円削減しようとしているのだ。
そんななか、銀行でありながら、ATMサービスを主軸にする前例のないビジネスを推し進めてきたセブン銀行が、新たな進化とイノベーションを生み出すために動き出した。今年6月に代表取締役社長に就任した、舟竹泰昭氏に話を聞いた。

既存の銀行との協業は深まっていく

──メガバンクが業務量削減や人員削減といった大規模なリストラを計画するなど、銀行を取り巻く環境は厳しくなっています。このような現状でセブン銀行はどう動きますか。

舟竹:一般論ではありますが、変化はある意味でビジネスチャンスでもあります。店舗閉鎖や人員を削減して合理化していくということになるのであれば、私たちが持っているATMをはじめとするネットワークやノウハウをぜひ活用していただきたいと思っています。

たとえば、事務の受託です。営業店で行っている事務を私たちが受託して、ビジネスに結びつける。弊社の連結子会社に銀行から入力作業などの事務業務やセキュリティ対策を受託するバンク・ビジネスファクトリー(本社:横浜市、2014年設立)があるのですが、事務委託の依頼や問い合わせが舞い込みはじめています。

近年、便利になればなるほど、一方では安全、安心が強く求められるようになりました。銀行でいえば、万全なセキュリティ体制を整えた決済環境を構築することが求められています。セブン銀行が培ってきたノウハウや取引データを活用して、口座の動きに不審な点がないかをモニタリングしています。

たとえば、ATMで1000円を入金し、すぐに出金するといった操作があったとします。通常、入金してすぐに引き出すことはありません。闇サイトなどから銀行口座を買い取り、その口座が生きているかどうかを確認している可能性が高いのです。

あるいは、ある口座に急激に振り込みが増えた場合です。しかも全国の銀行からお金が入金されている。これも通常の取引では考えにくい動きです。こうした不正が疑われる動きを察知するために、閾値を設けて、それを超えたらアラームがなる。セブン銀行では、こうしたセキュリティのノウハウを蓄えているのです。

 

ATMや事務、セキュリティなどは各銀行が取り組まなければならないことですが、すべてを自前で行うには膨大な時間と多額のコストが必要です。従来、銀行は1つの大きなビジネスに収まっていましたが、いまそのビジネスがどんどん分割されてきていて、それぞれのビジネスで専業が生まれています。私たちは、ATMと事務、セキュリティの分野で専業化し、これまで以上に門戸を広げていくということです。