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人民元安が加速…!中国、メンツを賭けた通貨防衛の厳しい行く末

「1ドル=7.0元」死守は絶対なのか
唐鎌 大輔 プロフィール

ちなみに7.0防衛は理論的な意味というよりも、「騒がれたくない」という心理的な意味の方が大きいと思われるが、問題は、多くの市場参加者がそれを「知っている」という事実だろう。

為替市場において誰しもが分かる形で防衛線を明示してしまうことのリスクは周知の通り大きいものであり、防衛は往々にして失敗する。メンツを重んじる中国が同水準を割らせないという意思を持っていることは想像に難くないが、理論的な意味合いの小さい水準の防衛に拘泥し、不均衡を蓄積させてしまうと、後の調整がかなりまとまったものになりかねないというリスクがある。

〔photo〕gettyimages

現状はジリ貧、人民元は「1ドル=7.0元超え」も視野

恐らく当面は、トランプ政権による追加関税を筆頭とする対中攻撃姿勢と中国国内経済の減速継続という事実は容易に変わりそうにない。

いくら金融緩和をしてもこれに付随する通貨安の恩恵を享受できなければ、その景気刺激効果は減殺されてしまう。

かかる状況下でメンツを賭けた「7.0防衛」にこだわる意味が大きいとは筆者にはあまり思えないが、敢えて言えば、為替操作国認定を回避できたことが1つのメリットとして挙げられるのかもしれない。

 

しかし、現状は明らかに「ジリ貧」である。米国経済が好調でFRBが利上げをする限りは資本流出圧力が失せることはなく、また、トランプ政権である限り追加関税は矢継ぎ早に課されることだろう。

遠くない将来において、中国当局がメンツを捨てて、7.0超えの動きを許容する可能性が高いと筆者はみている。