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災害大国に住む私たちがまだ知らない「地下街の秘密」

ここから日本の技術進化が見えてくる

「地下街」とはどんな場所なのか?

「地下街」という言葉を広辞苑で調べてみると、「ちか‐がい【地下街】:公共の地下通路に面して作られた商店街。広義には、それに接続するビルの地下階、地下駐車場、地下広場、地下鉄駅などの総称」と書かれています。

一般的に日本の地下街の始まりは、東京で地下鉄が開通した1927年(昭和2)以降、その通路に店舗が並び始めたのがきっかけです。現在、全国に80ヵ所もの地下街が国土交通省で登録されています。

大都市中心部では、複数の地下鉄駅や地下街、それらを結ぶ地下通路や地下広場などが多くのネットワークで結ばれていて、それはまさに都心の迷宮(ダンジョン)のようであり、都市インフラとして欠かせない施設が無数に存在しています。あまり知られてはいないと思いますが、日本は世界有数の地下街大国なのです。

そもそも「地下街」が造られている用地は公共と民間に分かれていて、地下街は駅前広場、道路や公園などの公共用地の地下にある店舗と通路が合わさった施設を指します。

「地下街」と似た施設に「準地下街」や「地下階」があります。「準地下街」は、店舗の部分は民間会社がもっている土地(民有地)で、通路部分が公共用地という施設です。「地下階」は、店舗や通路とも民有地の地下にあると区別されています(図1参照)

図1(国土交通省「地下街安心避難ガイドライン」より)

日本における地下街の歴史とユニークな地下街

日本で最初の地下街は、1930(昭和5)年に現在の銀座線を開業させた「東京地下鉄道」が上野駅に設けた「地下鉄ストア」だと言われています。

それ以後、2年後には「須田町ストア」、さらにその翌年には「室町ストア」と「日本橋ストア」(今はその一部が「コレド室町」になっています)と続々と開業し、高度経済成長期には大都市から地方の中核都市へと広がっていきました。

 

今年3月に発売された『知られざる地下街』は、地下街の成り立ちから、意外と知られていない豆知識、そして各都市の地下街の魅力などを紹介している、今までありそうでなかった地下街に関する読みやすい本です。一度手に取って地下街があるまち、駅を歩いてみると新しい発見ができると思います。

我々は、「地下街」に行くと、一般的に歩く距離が長く、通路がいくつにも分岐していて、大きな地下街になると方向感覚さえ失いそうになります。

しかし、なかには通路の長さわずか25メートル、幅2.4メートルという小さな地下街(名古屋市営地下鉄金山駅の中にある金山商店街)もあります。

また、今年開業50周年を迎える高速神戸駅の地下街「メトロこうべ」には、なんと間口40メートルという超横長のコンビニや卓球場があります。最近は多くの地下街がリニューアルして、まさにデパチカ化して大勢の人で賑わっています。