なぜ「1975年の日本食」は健康にいいのか

老化を遅延し健康に加齢するために
都築 毅 プロフィール

作製した2005年、1990年、1975年、1960年の日本食をそれぞれ通常飼育食に30%混合し、試験食とした。また、マウスにとって標準的な条件下で飼育した場合について把握するため、日本食を混合しない通常飼育食(CE-2)のみを与えた群も用意した。

SAMP8マウス(3週齢、 雄性)に通常飼育食を与えて1週間予備飼育を行った後、平均体重がほぼ等しくなるように、マウスを20匹ずつ5群{2005年日本食含有飼料摂取(05)群、1990年日本食含有飼料摂取(90)群、1975年日本食含有飼料摂取(75)群、1960年日本食含有飼料摂取(60)群、通常飼育食摂取(Control)群}に分け、試験食を自由摂食させた。24、48週齢時に老化度と学習記憶能の評価を行った。そして、寿命まで飼育を行い、平均寿命を求めた。

マウスは明暗12時間サイクルに設定された東北大学大学院農学研究科動物飼育実験棟において飼育を行い、水および飼料は自由摂食とした。 マウスの老化の進行程度について評価するため、24週齢と48週齢時にグレーディングテストを行った(図1)。

 

その結果、24週齢時では、群間に大きな差は見られなかった。48週齢時では、いずれの群においても24週齢より点数の増加が見られ、老化が進行している様子が観察された。

また、05群に比べて90と75群で老化の進行が抑制されている様子が観察され、75群で最も老化の進行が抑制されていた。マウスの学習記憶能について評価するため、24週齢と48週齢時にパッシブアボイダンステストを行った(図2)。

24週齢時では、群間に大きな差は見られなかった。48週齢時では、いずれの群においても24週齢より時間の減少が見られ学習記憶能の低下が観察された。そして、05群に比べて75群で学習記憶能が維持されている様子が観察された。

以上より、現代日本食に比べて1975年の日本食は老化の進行を遅延することが示された。

次に、平均寿命を05群と過去の日本食を摂取した群で比較した(図3)。

平均寿命は05群、90群、75群、60群、Control群でそれぞれ [49.0 ± 2.5]、[54.4 ± 3.6]、[58.1 ± 5.2]、[52.0 ± 3.7]、[51.3 ± 4.4]週となった。05群と比較して75群において寿命が有意に延伸し、90群において寿命の延伸傾向が見られた。

以上より、現代日本食に比べて1975年日本食は寿命を延伸することが示された6