# 欧州経済

欧州大手銀行の不安とドイツの政治リスクを警戒せよ

世界経済にとって無視できるはずがない

米国の中間選挙は大方の予想通りの結果となった。これを受けて、ドルは主要通貨に対して反発し、米国の株式を買い戻す投資家も増えている。これまで下落基調となってきた新興国通貨の為替レートも、従来に比べるとやや安定感を取り戻しているように見える。

ただ、先行きを楽観するのは早計だ。世界的に様々なリスク要因が潜んでいるからだ。その一つに、欧州でドイツの政治不安が高まっていることがある。何と言っても、ドイツはEUの中心的存在で影響力は圧倒的に大きい。そのドイツの政治不安は、他の欧州諸国にもマイナスの影響が及ぶことが懸念される。

そうした状況下、欧州の大手銀行の収益力の低迷は続いている。最近発表された主要金融機関のストレステストの結果を見ても、欧州地域の金融機関の財務内容に不安が残っている。また、イタリアの不良債権問題は世界経済に無視できない影響を与えるだろう。

 

高まるドイツの政治リスク

足元の世界経済の状況を見渡すと、米国では緩やかな景気回復が続いている。その他の国・地域に目を向けると、中国経済は米中貿易戦争などの影響を受けて減速が鮮明化している。わが国でも、中国の需要後退を受けて業績予想を下方修正する企業が出始めた。欧州・ユーロ圏でも先行き不透明感が高まっている。

欧州経済の先行きにとって重要なのが、ドイツの政治動向だ。バイエルン、ヘッセン両州の地方議会選挙では、難民問題への不満を取り込んで極右政党のAfD(ドイツのための選択肢)などが議席を増やした。国内での不満が高まる中、ドイツが財政面を中心にユーロ圏改革を主導していくことは難しくなっている。

この問題は、ユーロ圏の銀行システムに関する市場参加者の不安を高める恐れがある。ドイツでは最大手ドイツ銀行の収益力が低下している。同行との合併観測があるコメルツ銀行の収益力も低下している。それを反映してコメルツ銀行は、ドイツの株価動向を示す代表的なインデックスである“ドイツ株価指数(DAX)”の構成銘柄から除外された。

この状況が続くと、公的資金を用いてドイツ国内の銀行を救済する必要が出る可能性は否定できない。わが国の金融システム不安やリーマンショック後の米国の対応を見ても、公的資金を用いた金融機関の救済は経済の失速を食い止めるために重要だ。問題は、近年のドイツが公的資金を用いた銀行救済に反対し続けてきたことだ。

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