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「トランプはピンチ」と報じる日本のメディアはこれだけ間違っている

共和党はついに「トランプ党」となった

大手メディアはどこまで「ズレる」のか

案の定と言うべきだろう。11月6日の米中間選挙の新聞報道について、筆者は再び大きな疑問を抱かざるを得なかった。

11月7日付夕刊各紙の一面トップの見出しを比較する。朝日新聞:「トランプ共和 下院敗北―米政権、運営困難に―上院は勝利『ねじれ』」、読売新聞:「民主が下院奪還―トランプ政権とねじれ、共和上院は維持」、毎日新聞:「民主 下院を奪還―トランプ流厳しい審判、上院は共和維持」、日本経済新聞:「米民主 下院過半数へ―トランプ政権に打撃、上院は共和勝利」――である。

[写真]テレビなどではCNN記者とトランプ大統領の「言い合い」ばかりが報じられたが、それは本質なのか?(Photo by GettyImages)テレビなどではCNN記者とトランプ大統領の「言い合い」ばかりが報じられたが、それは本質なのか?(Photo by GettyImages)

当該夕刊の締め切りは同日午後一番であり、「朝日」記事中の表に《日本時間7日午後1時20分現在》と注釈が付けられていることから、同紙が同時刻ギリギリでの開票結果に基づいて報じていることが分かる。

だが、米中間選挙報道について、日本メディアは新聞社、テレビ局、通信社などのワシントン支局は「反トランプ」でリベラル系CNNテレビ、ニューヨーク・タイムズとワシントン・ポスト紙報道に大きく依拠し、その他に政治専門サイトのリアル・クリア・ポリティクス(RCP)、世論調査分析の「ファイブサーティエイト」(統計学者のネイト・シルバーが創設)、ニュース専門サイトのアクシオスなどが発信する情報・データを参考にしている。

それらのほとんどは筆者も参照している。もちろん、それだけではない。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルのワシントン支局長を含め米国人ジャーナリストと選挙戦期間中のほぼ毎日メールで情報交換し、さらに「OBSERVATORY VIEW」など米有力ニューズレターに目を通してきた。

 

その結果はどうであったのか。「夕刊フジ」の連載コラム(5日発行・入稿3日)に「上院は共和党が多数党を維持、下院は民主党が多数党を奪回する。<中略>筆者が信頼する選挙予測の専門家の情報を総合すると、上院は共和党54議席、民主党46議席だ(現有・共和51、民主49)」と書いた。

競馬の予想屋ではないので当たった、外したとは言わないが、民主党が下院多数派を奪還することは選挙直前から専門家の間では支配的な見立てであり、共和党選挙対策本部をきちんと取材すれば、ドナルド・トランプ大統領が下院多数派を失っても30議席以下であれば勝利と考えていると分かったはずだ。極論すれば、はなから下院を捨てて上院での議席増に傾注していたのである。

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