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# フェイクニュース

「右寄りアカウント」フォロワーの大半はボットとサイボーグの可能性

日本でもネット世論操作が行われている

前回に引き続き、拙著『フェイクニュース 新しい戦略的戦争兵器』(角川新書)の内容に基づき、日本におけるネット世論操作を中心にご紹介したい。日本国内でも「ネット世論操作」が行われている可能性は高い。そう考える理由はいくつかある。

まず、現代の日本でなにが起きているのかをご紹介したい。

自民党の「ネット監視要因」たち

現政権与党=自民党がネット監視に本格的に取り組んだのは2013年の政権奪還の時と考えられる。「T2」と呼ばれるチームを発足させ、電通および国内ベンダ(IT系の販売企業)の力を得てネット監視体制を作り上げた。

ベンダは端末の提供、ソフトウェアの提供、ネット監視など役割分担し、必要に応じて(要するに自民党への攻撃に対して)反論や削除要請を行っている。自民党ネットサポーターズクラブ(J-NSC)という組織もこの時に作られ、現在およそ2万人弱の会員がいる。彼らの役割はネット上での自民党の施策をサポートすることと考えられる。

ネット監視そのものはいけないことではない。だが、この態勢は資金力のある与党でなければできないことは問題だ。本来なら党派に関係なく法律を作ったり、もしくは政府が組織を作って監視し、問題があれば削除要請を行えばよい。それをせずに資金力のある政権党が有利になるようにしている状況は是正されるべきだろう。

 

多数のボットやトロールが活動中

続いて主体は明らかではないが、ネット世論操作が行われている可能性を指摘した調査結果を紹介したい。

日本でも多数のボットが活動しているという論文が2017年11月4日、エアランゲン=ニュルンベルク大学のファビアン・シェーファー博士によって発表された。ボットとはプログラムなどによって自動的に投稿を行うアカウントを指し、業者などが組織的に行っていることが多い。

なお、この論文を読んだ後で数値など不明点をファビアン博士本人に確認した。そのため論文中には記述のない数値が一部含まれていることをお断りしておく。

2014年12月8日から30日の間のツイートの中から政治に関係あると考えられるキーワードを含むツイート54万2584件を抽出して分析したところ、驚くべきことにそのうち45万1539件、つまり83.2%が類似ツイートであるとしている。類似ツイート(near-duplicates)とは元のツイートのリツイートに加えて、元のツイートからじゃっかん表現を変えているツイートのことである。

この論文の特徴は言語解析を行い、完全一致ではなく類似のものも認識できるようにしている点だ。なお、単純なリツイートは30万7670件=56.7%だった。つまり単純なリツイートではない類似ツイートは14万3869件存在したことになる。これらの活動はボットによるものと考えられている。

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