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顧客を「錯覚」させよ!相場以上の報酬で働けるフリーランスの交渉術

山田竜也に訊く!フリーランス相談室②

前回の記事(リンクはこちら)は、収入を増やす方法そのものについて取り上げました。「スキルを磨いて質の高い仕事をすれば収入はおのずと上がるはず」とふつうは考えがちですが、「そう単純なものではない」と山田さんは言います。山田さんによれば、収入を上げるための「見せ方」もひとつ重要なキーワードなのだとか。

そこで今回は、フリーランスが高額報酬を得るための「見せ方」について、現役フリーランス・ライター代表として、山田さんにお話を伺っていきたいと思います。

取材・文/大澤美恵

クライアントには「わかりやすい成果」を示す

【質問】
山田さんはよく「金額の妥当性はロジックで決まる」とおっしゃっていますが、説得力のあるロジックを組み立てる良い方法はありますか。

回答】
まず、「クライアントにとっての価値」って何なのかっていうことを考えることが重要ですね。顧客がコストをおさえたいのか、投資価値のあるものを求めるのかっていうのでも違ってくる。ただ決まった定形の作業をこなしてほしい、という消費財的な案件になってしまうと、相場以上の金額にはならない。

でも、企業って「これは将来につながる」と思えるような投資価値があるものには、すごくお金を使うんですよ。だから、「この人にお願いすれば、Webサイトのアクセス数が何倍にもなる潜在性がある」と企業の担当者が感じたら絶対にお金を払うんです。

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ならば、それってどうやって主張すればいいと思いますか?

自分ではスキルが高くて自分の仕事には価値があると思っていても、クライアントのニーズがなければ値段はつきません。だから、クライアントには自分が価値のあるように見せないとだめなんです。仕事内容によって、価値を提示しやすい・提示しにくいっていうのはあるんですけど。

 

ロジックを組み立てるには、「錯覚成果」がひとつのキーワードになります。どんな仕事も、自分一人でやっているわけではないじゃないですか。いろいろな人やモノが関わってひとつの成果を出しているんですよね。

たとえば、セールスライティングでも、売れやすい商品が存在するから初めてできる仕事なのであって、セールスライターが一人で製品を作ってコピーを書いて商売をしているわけじゃない。だから「その人だけの成果」では全然ないんです。セールスライターがやっている仕事は、商品にある潜在的な魅力を「これって良いよね」「安いよね」って分かりやすく他人に思わせているだけにすぎない。

セールスライターが使いやすい、画像の素材や、商品のセールスポイントなんかも他の方にまとめていただくことで初めて活用できるようになる。でも、セールスライターの方は成果を話す時に「◯◯という有名な商品を、私のライティングでこの◯◯から◯◯くらいの売上まで成長させました」って主張するわけです。

「高額な報酬を払ってでもこの人にお願いしたい」とクライアントを「錯覚」させるためには、いかに自分の出した成果をわかりやすく伝えるかっていうことを気にしたほうがいいですね。聞いた人をびっくりさせるような名前や数字を出すとか。

たとえば僕の場合、「リスティング広告っていうのがとても上手に設定できるんですよ」と説明しても、自分のことを全く知らない相手にとっては話がちんぷんかんぷんだし、相手に響かない。けれど、「僕がリスティング広告の運用に携わった企業が、今まで3社ほど上場しました」「僕がマーケティングの顧問として関わったある会社は、最初従業員が5人くらいしかいませんでしたが、今は400人くらいになっています」と言ったら伝わりやすいじゃないですか。

本当は裏側でやっている努力とかスキルとか、なかなか表に出せないような技術があることを自分では誇りに思っているんですが、その話をしても評価してもらえない。だから、「上場」や「従業員数」とか、人が聞いてぱっと反応するもの、わかりやすいものを言うようにしているんです。もちろん、本質的なものはそこではないんですけどね。
※これについては『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」できまっている』 という著書で「錯覚資産」という概念でこのことを詳しく論じているので、興味がある方は読まれることをおすすめします。