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ユニクロ、「取締役に柳井会長の息子」が最高の一手であるワケ

ふたりの息子は後継者でないと言うが…

ユニクロ柳井会長の「息子抜擢」人事を読み解く

ユニクロを運営するファーストリテイリング(以下、ファストリ)から、11月29日の株主総会を経て、柳井正・会長兼社長(69歳)の長男の一海氏(44歳)と次男の康治氏(41歳)が取締役に就任するという人事の発表がありました。同時にこの人事に関しては、「ふたりが後継者になるという意味ではない」とも発表されました。

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この報道は印象に残るニュースだった様子で、私の周囲の何人もの人から「あのニュースはいったいどう捉えたらいいんだい?」という質問を受けました。ストレートに「ニュースの意味がわからない」とか「本当は違うのではないか」とか、発表の真意に関する質問が多かったと思います。

またこれも日本人らしい反応だと思いますが、「ふたりのどちらかがユニクロの後継者になるのが既定路線であるべきだ」とか、逆に「世襲が行われると業績が悪化するんじゃないか」とかファストリが発表してもいないことを勝手に憶測したうえで、自分の意見を述べる人が結構多かったといこともありました。あくまで私の周囲の反応ではありますが。

とはいえ、理解ができていないという人から曲解をして持論を述べる人まで、あまりに受け止め方の幅が広いということは、このニュースは一度きちんと整理をして説明をしたほうがいいのではないかと思います。

 

今回の発表内容を読み解くポイントは3つあります。

①そもそもこのニュースの意味はどういうことなのか?
②本当に世襲はないのか?
③この人事は柳井会長の打ち手としてはよい打ち手だったのかどうか?

順を追って解説しましょう。

まず、柳井家の長男と次男がファストリの取締役になるという意味は何でしょうか。この点を説明するには、「アメリカの株式会社がどのような運営メカニズムを採っているのか」という説明から入るのがわかりやすいでしょう。なぜかというとファストリという会社は常に企業の進化を目指していて、人事制度や企業統治について海外の優れた企業の仕組みをベンチマークしているからです。