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ある高級有料老人ホームに一緒に入居した夫婦が「大後悔」した理由

認知症の母の介護がむしろ激烈に…
太田 差惠子 プロフィール

入居後、母親の認知症が急速に進行…!

父親は、自ら、入居を決断しました。24時間体制での介護付き。そこは、自宅からは車で30分ほどの距離で、土地勘がある立地だったことが父親のココロを惹き付けたようです。入居時に支払う前払い金は1000万円ほど。月々の支払いは2人で50万円ほど。

「『決めた』と父から言われて、最初は、本当に大丈夫かなと心配になりました。もちろん、契約のときは両親に付き添いました。居室は明るいし、看護師さんも常駐しているし、いいところだなって。何より、父が嬉しそうにしていたので。正直、これで、親の介護の心配から解放されると思いました」とケイコさん。

ところが……。

両親が有料老人ホームへ転居後、ケイコさんは部署移動などで仕事が立て込み、3ヵ月目にようやく両親に会いに行きました。

すぐに、異変に気付いたと言います。

母親の視線が定まらず、ケイコさんの顔を見ようとしません。ケイコさんが話しかけても、「お父さん、お父さん」と言い続け、そのそばを離れようとしないのです。トイレの失敗が増え、紙オムツをしていました。

〔photo〕iStock

父親は疲れた表情で、「僕は、部屋から出られないよ。出ると、お母さんが大声を出すんだ」と言いました。

父親の不満は母親のことだけではありませんでした。入居者の多くが車いすに乗っていたり、認知症の症状があったりで、話し相手がいない様子。しかも、母親が寝ているすきに買い物や喫茶店に出掛けるのですが、いちいち外出先と帰宅時間をホームのスタッフに告げる必要があります。

 

ケイコさんは、両親のことが頭から離れず、心配で、3週間後に再訪。

すると、父親は「僕は、閉じ込められているようだ」と言いました。母親は「家に帰る。鍵はどこ?」と呟き続けています。

父親の目頭に涙が光るのを見た時、「まずいことになった」とケイコさんは事態の深刻さに背中が震えたといいます。

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