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GPIF運用益「3カ月で5兆円の黒字」でもやっぱり気になること

世界の株価が不透明感を増す中で

株価上昇でGPIFも大幅黒字

国民の年金資産を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の第2四半期(7~9月期)の運用成績は、5兆4143億円の黒字となった。期間収益率は3.42%のプラスとなった。日本や米国など、世界的な株価上昇が保有資産の価値を押し上げたことが大きい。

GPIFは165兆円の運用資産を持つが、このうち国内株式と、外国株式にそれぞれ25%を投じ、資産の半分が株式運用になっている。7~9月期は国内株が2兆4230億円の黒字、外国株式が2兆8823億円の黒字だった。かつては日本国債での運用が圧倒的に大きかったが、安倍晋三内閣の方針もあって運用資産構成割合(ポートフォリオ)を見直し、株式に大きくシフトした。

第2次安倍内閣が発足した2012年12月末には全体の60.1%を国内債券で運用、日本株と外国株はそれぞれ12.9%だった。9月末段階で、国内債券での運用は25.26%にまで低下、過去最低の比率となっている。国内債券の運用は7~9月期の実績で、3365億円の赤字となっており、これまでのところ、株式シフトの効果が出ていると言える。ちなみに外国債券は4412億円の黒字だった。

9月末の日経平均株価は2万4120円04銭で、前の期の期末(6月末2万2270円39銭)に比べて8.3%も上昇した。米国株も史上最高値を更新するなど、株高に沸いた。

 

株価をつり上げているわけではないが

GPIFは「基本ポートフォリオ」として、それぞれの運用資産の割合を決めているが、日本株と外国株はそこで定めた25%に達している。国内株は上下9%、外国株は上下8%の乖離幅が認められていることから、理論的には国内株は34%まで買い進むことができるが、現実には運用資産の分母が増えない限り、新規に買い増すのは難しい情勢だ。

一時はGPIFの年金資金が日本株を市場で買い支えているとの見方があったが、もはや限界点に近づいている、とみて良さそうだ。

そんな中で10月以降、米国株の大幅な下落などを受けて、日経平均株価も軟調が続いている。10月初めには27年ぶりの高値である2万4270円62銭(10月2日終値)を付けたが、その後つるべ落としとなり、10月26日には一時、2万1000円台を割り込む場面もあった。

GPIFは長期運用を目的としており、相場の上下で大幅な売り買いをするわけではないものの、前述の通り、大幅に買い出動する余力には乏しいとみられる。

そこで注目されたのが日本銀行。金融緩和の一環として市場から国債などを買い入れて資金を供給しているが、ETF(上場投資信託)も買い入れ対象になっている。ETFは様々な企業の株式で構成されている。

これを10月に日銀は何と8700億円も買い入れたのである。もちろん単月の買い入れ額としては史上最大だ。結果的に日銀のETF買いが、相場を下支えする格好になっている。