photo by Getty Images

東京五輪後でもぐんぐん伸びるのはこんな企業

「五輪後不況説」に根拠はあるか?

日本経済は五輪後も成長する

「東京五輪までは好景気が続くが、五輪後は不況になる」。こんな話をよく聞くが、本当にそうなるのだろうか。前回の東京五輪後に景気が悪化したからといって、今回も景気が悪化するのだろうか。過去を参考にするならば、過去を徹底的に検証するべきだと思う。

前回の東京五輪は1964年10月10日から24日まで開催された。そのため、その2年前の1962年10月から1964年10月まで好景気が続き「五輪景気」と呼ばれた。五輪終了後は不況に突入したが、翌1965年10月を底に不況を脱し、経済成長は1970年7月まで継続した。この57ヵ月に及ぶ景気拡大期間を「いざなぎ景気」と呼ぶ。

これを今回の東京五輪に当てはめてみよう。パラリンピックが終了するのが2020年9月。その後景気が低迷しても、2021年9月を底に不況を脱し、57ヵ月後の2026年6月まで景気が拡大することになる。

 

それでは2026年以降はどうなるのか。2027年には東京・名古屋間でリニアモーターカーが開通する。それに合わせるように、東京駅・日本橋口の常盤橋地区に日本で一番高いビルが竣工し、その周囲には敷地面積3.1haの大規模複合再開発が完成する。名古屋駅では名古屋鉄道が高さ180メートル、全長400メートルの超横長・超高層ビルを完成させる。これらの経済効果は巨大なものになるだろうし、人々の消費意欲を刺激するだろう。日本経済の先行きを悲観する必要はないのではないか。

私は五輪後でも多くの日本企業が業績を伸ばし、日本経済の成長に貢献すると予想する。

2020年以降、ますます好調が見込まれる日本企業を217社を分野別にピックアップ

日本の生体認証技術は世界トップ

最近出した著書では、そのなかでも延べ217社をピックアップして解説したが、私が最も印象に残ったのはNECだ。

〔photo〕gettyimages

執筆の構想段階ではNECを掲載するなんて思いもしなかった。NECは通信インフラ設備では国内トップ企業だが、明るい話題に乏しい。今期は希望退職で従業員を3000人削減する。

2000年代前半から売上高が伸びなかったことに加え、不採算事業売却を続けたため売上高が2002年3月期の5兆1010億円から3兆円割れまで縮小した(2018年3月期の売上高は2兆8444億円)。

そんなNECだが、生体認証技術の分野では世界ナンバーワンの実力を持つ。同社は1970年代からいち早く指紋認証や掌紋認証、顔認証技術などの研究に取り組み、世界をリードし続けてきた。現在ではこの他にも静脈認証や虹彩認証、声認証、さらには独自技術である耳音響認証を開発し、高精度な生体認証ビジネスを展開している。

同社は2017年に米国国立標準技術研究所(NIST)が実施した動画顔認証技術のテストで、認証精度99.2%と他社を大きく引き離して第1位の評価を獲得した。

ブラジルでは主要な14の国際空港の税関で同社の顔認証システムが使用されている。このシステムでは犯罪履歴データをもとに、顔認証技術を使って税関を通過する乗客の中から犯罪容疑者を識別する。

また、指紋認証の技術レベルも高く、同社の自動指紋照合システムは1982年に警察庁に採用され、1984年には米国・サンフランシスコ市警察でも採用された。2015年には米国国立標準技術研究所が実施した指紋認証技術テストで第1位の評価を獲得した。

そして、同社の顔認証システムは2020年の東京五輪会場でも使用される。選手やスタッフ、ボランティアなど大会関係者30万人の本人確認が同社の顔認証システムによって実施されるのだ。大会関係者の入場時のチェックに顔認証システムが活用されるのは五輪史上初めて。