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須藤元気が校長の「フィリピン英会話学校」の驚くべきビジネスモデル

話題の「英会話留学」を成功させた秘密
松崎 隆司 プロフィール

一流の教師を雇いながら、価格を安く抑える工夫

しかし、優秀な教師を大量に採用するといってもそう簡単なことではない。

「英語教師は100人を超えると労働問題などがあり、なかなかうまくいかない。2番目に多いところでも300~400人。しかもそのほとんどは非正規採用なのです」

藤岡氏は正規採用にこだわり、十分な報酬を保証した。だから、今では1200人のフィリピン人英語教師が活躍しているという。

 

さらにフィピン人の英語教師は優秀だとはいっても、外国人に対して教育した経験がない。そこで、藤岡氏は採用する教師全員に欧米で確立された外国人に教育する方法=『TESOL(英語教授法』の資格をとらせた。つまり社内でコストをかけ教育するわけだ。これも正社員だからできることだ。

しかし、これだけ質にこだわれば当然コストの問題が出てくる。最もいい立地は一番高い家賃となり、1200人の英語教師をすべて正社員として採用して教育すれば、他の英会話学校よりも大きなコストがかかるのは当たり前のことだ。

フィリピンは欧米や日本に比べて高品質の英語教育を安く提供できるところが多くの日本人を呼ぶ呼び水となるわけだが、受講料に上乗せすれば本末転倒となってしまう。これを何とかしなければ元も子もない。

だが難問をチャンスに変えていくのが、藤岡流だ。実は「俺のセブ島留学」というWEBサイトが調べたところによると、QQEnglishが「マン・ツー・マン」のクラスの料金は最も安い(1ヵ月15万円程度)という。いったいそこにはどんな秘密があるのか。

「英会話学校は早朝と深夜には仕事はない。逆にオンライン英会話は早朝と夜は忙しいのですが、昼間はそれほどでもない。そこで英会話学校とオンラインを組み合わせ、1日を3交代制にしたのです。

朝の5時に来た先生が9時までオンラインで教え、その後留学生を14時まで教える。14時にきた先生は18時まで留学生を教え、18時から深夜までオンラインで教えます。さらに、その後もオンラインを通して世界中の学生を教えるわけです。もっとも高い立地と賃金でも24時間稼働する。さらに英語学校の閑散期には日本の市町村単位で指導する。だから閑散期がないのです」(藤岡氏)

さらに最近では、福岡県の飯塚市と協力してオンラインで英語の授業を提供している。これも正規採用の英語教師だからできることだ。

最初はまったく相手にされなかった

しかし、フィリピンで英会話学校の設立は日本人としては初めての試み。最初は全く相手にされなかった。

「学校を設立し、日本に営業で回ったときには、企画書を投げつけられ、『日本人がフィリピンで英語を勉強するわけないでしょ。日本人はネイティブ信仰だよ』といわれました。『発展途上国のフィリピンで英語を勉強すると思いますか。フィリピンは危険ですしね、不衛生だと考えられている。そこに日本人が行くと思いますか。藤岡さん』とね」(藤岡氏)

当時の日本人は、まさかアジアで英語を勉強できるなんて思っていない。フィリピンなんて、という印象が強かったという。

そこで藤岡氏は、「これを変えなければいけない」と決意。誤解や先入観で見られないよう徹底的な情報の公開をおこなった。

「そこで始めたのが放課後倶楽部。生徒さんに、僕がどのような思いでQQEnglish を始めたのか、英語を習得するとどんなに人生がかわるのか、などをお話させていただいています」

実際に、筆者も10月29日に現地・セブのITパーク校とウォーターフロント校を訪問し、実際に体験レッスンにも挑戦した。

午前中に訪れたITパーク校は、巨大ビルの立ち並ぶ経済特区地域の高層ビルの中にあった。近くにはセブ屈指のリゾートホテル、ウォーターフロント・セブシティー・ホテル&カジノがあり、生徒はこのホテルのプールやジムを無料で活用できるそうだ。