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須藤元気が校長の「フィリピン英会話学校」の驚くべきビジネスモデル

話題の「英会話留学」を成功させた秘密
松崎 隆司 プロフィール

「立地」と「質」にとことんこだわったワケ

「フィリピンは日本から近い。料金は欧米留学の半額程度でマン・ツー・マン。しかもローコストキャリアが運航するようになり、日本とフィリピンを安い旅費で往復することができる。日本の学生をもっと呼べるのではないか」

そこで藤岡氏はそれまで経営していた「キュウ急便」を売却、フィリピンに日本人のための英語学校を設立することを決意した。2009年のことだ。

 

しかし、問題だったのが住環境だった。

「私が通った学校は韓国の会社が経営していましたが、韓国は徴兵制があるので集団生活に慣れている。大部屋にベッドが10床あってそこに10人が寝泊まりしても違和感はあまりない。日本人は、10人部屋で一緒に過ごすというわけにはいきません。ホームページには『三食キムチを食べられます』なんて謳っていました」(藤岡氏)

しかも、当時は米国や英国留学の安価版というだけ。こんな商売のやり方では、きっといつかは飽きられてしまう。そこで藤岡氏はまず、日本人に合うようにサービスのクオリティーを上げることを考えた。

まずは立地。

一つは、セブの「ITパーク」のインテリジェントビルの中に英会話教室を構えた。「ITパーク」は元飛行場だったところを経済特区として再開発し、今では「リトル・シンガポール」といわれるところだ。

この英会話教室は、フィリピンの英会話学校の中で一番家賃が高いといわれている。そして、もう一つはセブの高級リゾートのど真ん中にある高級ホテルを改築した「シーフロント校」だ。ここも家賃が高い。リゾート型スクールとしては最大級のものだという。

シーフロント校

そして韓国の学校のような大部屋ではなく少人数部屋や個室を完備し、さらにお湯のでるシャワーも配備した。これは、当時としては画期的なことだったという。

さらに、教育の質にもこだわった。

「韓国の学校はマニュアルを作って誰が教えても変わらないようにし、パートの先生を大量に採用して、安価で働かせていました。しかし、私はフィリピン人が世界で一番英語を教えるのがうまいと思っていましたので、プロの教師として正式に採用することにしました」(藤岡氏)

日本ではあまり知られていないが、非ネイティブの国の中で英語力を評価するビジネス英語指数(BEIビジネス・イングリッシュ・インデックス)で、フィリピンは3年連続世界で最も高い評価を受けている。つまり世界の権威のある機関で、フィリピンが第二外国語習得で最も成果を上げてきている国と評価を受けているからだ。

「フィリピン人は小さいころから第二外国語として英語を学んできている。だから母国語でない言葉を習得する難しさをよく知っているがレベルも高い。英会話では世界で最も成功したフィリピンの教師に、世界でもっとも英語教育で失敗した日本人が学ぶ。これは、面白いと思いました」(藤岡氏)