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「丸の内のたそがれ」から大改革!三菱地所会長の経営哲学

大塚英樹の「成功するトップ」⑥
大塚英樹

社会に貢献する「所期奉公」の考え  

長寿企業に共通するのは、創業理念とミッションをしっかり策定し、それに基づいてビジョンを描き、実践していることだ。

そして何よりも、働く人たちを大切にしている。社員のモチベーションの向上を経営の最優先課題の1つにしているのだ。

 

社員がモチベーションを高めるには、社員が企業の社会的存在意義を見出し、「自分たちの会社は社会に役立っている。社会から尊敬されている。社会に必要だと思われている」と確信を持てるような会社にしていかなければならない。  

その点、2018年で創業128年目を迎える長寿企業の三菱地所はどうか。

杉山博孝は社長就任以来、創業理念の継承を重視し、その理念に基づくビジョンの実現に精力を注いできた。  

創業理念とは、三菱4代社長の岩崎小彌太が定めた三菱三綱領で、「所期奉公、処事光明、立業貿易」から成る。

事業を通じ社会に貢献すること。

処事光明は事業をするに当たり社会に対して公明正大であること。

立業貿易とはグローバルな視点に立って事業を行うこと。

3つは、「パブリック」「フェア」「グローバル」と読み替えている。

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中でも杉山が繰り返し社員に訴え続けているのは、社会に貢献する「所期奉公」の考え方だ。社会貢献とは事業を通じて人々の暮らしを豊かにすること、その対価として適正な収益を得ること、会社の発展を通じて従業員を確保すること──。  

杉山は社長在任中、毎年の入社式、年十数回の国内外の事業所回りや役員セミナーなどの折には理念や自分の思いを繰り返し伝えている。