トランプ時代のアメリカとダイバーシティの将来
大学入学審査における「人種」の扱いに異議を唱える訴訟は、今回が初めてではない。同様の訴訟は、早くも1977年にカリフォルニア大学を相手に起こされており、より近年では、2003年のミシガン大学法科大学院や、一昨年のテキサス大学オースティン校の入学審査方法をめぐっても裁判が行われている。
これらの一連の裁判において、連邦最高裁は一貫して、大学の入学審査において、数多くの基準のひとつとして人種を考慮するのは妥当である、と、アファーマティヴ・アクションを擁護する判決を出してきている。
今回の裁判の判決がどのようなものになるにせよ、この訴訟はいずれ連邦最高裁まで行き着くだろうと予測されている。トランプ大統領は、原告側の主張を支持する立場を表明しており、アメリカ社会の一部においては、「マイノリティへの特別優遇措置」への抗議を表明する人々が勢いを得ている。
カバノー氏が加わった最高裁において、どのような判決が下され、アファーマティヴ・アクション、そして人種関係の将来はどうなっていくのか、重要な注目ポイントである。