画/おおさわゆう

イタタタタ…!「骨を切って延ばす」驚愕の最新美容外科事情

覆面ドクターのないしょ話 第38回
「顔は変えられます!」——次郎先生はきっぱりと言い切った。
美容外科といえば、腫れぼったい目をぱっちりした二重にするとか、団子鼻を筋の通った高い鼻にするといったレベルかと思っていたら、最先端の技術を駆使すれば、顔はまったく別人のように変えられるという。
はたして、どんな手を使って、超絶美人は作られているのだろうか。

昔はあまり顔が変わらなかった

2005年、フランスで世界初の顔面移植手術が行われた。2010年には、スペインでフルフェイスの移植手術が行われている。

顔面移植手術とは、病気や外傷による顔の変形に対して、お亡くなりになったドナーから顔面を移植する手術である。なかには、60代男性に20代男性のドナーの顔面を移植したケースもあり、顔は全く別人に変わってしまう。今後、異性間でも、顔の移植手術をするケースも出てくるのだろうか?

 

最近、韓国で美容外科手術を受ける日本人のニュース記事が新聞に掲載されていた。

一時下火だった韓流ブームは、2017年から再び盛り上がりを見せている。ガールズ・グループ、Twiceなどの活躍も大きな影響を与えているようだ。韓流アイドルの顔に憧れ、韓国で美容外科手術を受ける日本人は急増し、それに伴うトラブルも色々報告されているという。

もう30~40年前のことだろうか? 私はある推理小説を読んだ。

殺人事件が発生し、若い女性の遺体が発見された。所持品から被害者の身元はすぐに判明した。家族や関係者に被害者の顔を確認してもらったが、誰もが自分の知っている女性とは違うと言った。生前の写真も被害者とは似ても似つかない顔だった。

殺された女性は一体誰なのか? 被害者の特定ができずに事件は迷宮入りになってしまった。このミステリーのからくりは、御推察の通り、被害者が過去に美容外科の手術を受けていて別人の顔になっていた、ということだ。

だが今になって私なりに考えてみると、これは当時の美容外科の技術水準から言って、リアリティのある話ではない。

美容整形という言葉は正しくないので、ここでは「美容外科」と表現させていただく。

今から30~40年前、巷に美容外科(いわゆる「美容整形クリニック」)はあったが、昔は顔があまり変わらなかった。

二重まぶたの手術で多少目がパッチリするとか、鼻にシリコンを入れて、鼻がツンと高くなるとか、その程度の治療効果だった。男の鈍感な目で見れば、「ちょっとは変わったのかな?」程度のものだった。

だから、当時の手術レベルでは、被害者が特定できないほど顔が変わるというストーリーの設定は無理がある。

皮膚や脂肪など柔らかい組織を軟部組織という。二重まぶたの手術や、脂肪吸引などは軟部組織のみを手術している。

フェイスリフトという美容外科手術を御存知の方もいらっしゃると思う。アンチエイジングの代表的な手術で、しわの多くなった顔の皮膚を頭頂方向や左右に引っ張り、しわを伸ばして余分な皮膚を切除するという手術だ。最近は大きく切らずに、返し(ギザギザ)のついた特殊な糸で引っ張り上げる方法もあるようだ。

しわを伸ばせば若返るが、びっくりするほど劇的な変化ではない

手術を受けた本人と主治医は満足しているのかもしれないが、私は女性の変化に鈍感なので、「劇的ビフォー・アフター」みたいな衝撃は受けない(※個人の感想です。すみません)。やはり軟部組織だけを手術しても劇的な変化は少ない。