大規模調査でわかった、ネットに「極論」ばかり出回る本当の理由

極端な人ほど、何度も何度も…
山口 真一 プロフィール

同じ現象はアメリカでも…

このようなネット世論の偏りは、日本に限った話ではない。アメリカを対象とした調査でも同様の傾向がみられ、普遍的な現象であるといえる。

図3は、アメリカに住む20代~60代の男女1,000人を対象に、「米国に住む外国人が増えること」についてアンケート調査分析をした結果を示している。アンケートでは、「良い面ばかりである」~「悪い面ばかりである」の7段階で答えてもらい、先ほどと同様、その意見分布と、SNSに書き込まれた回数の分布を描いた。

結果を見ると、実際の意見分布(青色)はやや左に偏った山型になっているのに対し、SNSに書かれた回数(赤色)は、左に大きく偏った谷型になっている。SNSで最も書き込まれている意見は「良い面ばかりである」で37%も存在するが、実際にそう思っている人は10%に留まる。

また、1人当たりの書き込み回数で見ると、「良い面ばかりである」と思っている人は、最も書き込み回数が少なかった「どちらかといえば良い面の方が多い」と思っている人に比べ、実に12倍以上も書き込んでいた。その次に多いのが「悪い面ばかりである」と思っている人で、約8.5倍となった。

図3 「米国に住む外国人が増えること」についての意見分布とSNS上に書かれた回数(アメリカ調査) 
 

レビューに「星1と星5」が多い問題

こういった現象が起こるのは、なにも政治的な話題に限らない。我々が日常生活で参考にするようなネット上の「レビュー」でも起こっている。

以下の図4は、日米それぞれで、2017年上半期の収益上位ランキング300に入っていたゲームアプリ(スマホゲーム)について、2015年5月31日-2017年7月1日の期間に書かれた点数別のレビューの総数の比率を描いたものである。データはアプリ調査会社App Annie社から提供されたものであり、値はAppStoreとGooglePlayの合算となっている5

図4を見ると、日米ともに似たような傾向があることが分かる。評点は5点が最も多く、点数が下がるにつれて数は減っていく。しかしながら、1点は2点や3点より多く、4点の数に迫っている。全体としては凹型を描いているといえるだろう。

つまり商品やサービスのレビューにおいても、強く褒めているもの、あるいは、強く批判しているものといった、極端な意見ほどネットで書かれやすい傾向にあるといえる。

図4 書かれている点数別のレビューの数(日米)