「おカネがないから諦める世界」を変えるペイミーの「給与即日払い」

働き方とともに「給料」も自由化しよう
マネー現代編集部 プロフィール

事業で「日本の貧困」を解決する

大学時代はグローバルに見聞を広めようと、カンボジアで井戸を掘るボランティアや、インドネシアでのインターンも経験した。「ですので、ペイミーでは英語の他にもインドネシア語でもカスタマサポートが可能です。それにアプリ版は20カ国語に対応しています」

そして、バングラデシュのグラミン銀行の存在を知り、仕組みとなるマイクロファイナンスを学んだことが、現在のペイミーに直接的につながる経験になった。「ペイミーのベンチマークはグラミン銀行です」と断言する。

「貧困の問題は、例えば一緒に工場で働いたり、井戸を掘ったりする国際協力によって解決するよりも、大きな事業を現地に生むことで解消すべきだと考えるようになったんです。イーロン・マスクがソーラーシティを作れば、そこには仕事が生まれ、生活レベルも上がる。だんだんと、投資業だったり、起業で雇用を生んだりしたいと、考えが変わっていきました。

そうやって学生時代に世界のことを見てきたんですけれど、考えてみれば日本でも貧困は大問題になっているわけですよね。今は単身世代の2人に1人が貯蓄ゼロです。周りを見たって、奨学金を抱えて安い給料で働いている。日本の問題を解決するほうが先なんじゃないか、と思い始めたんです」

卒業後、ベンチャーキャピタルのイーストベンチャーズに入社。そこでの経験を糧に「どうやっておカネを動かすのか」に関心を強め、押しかけるようにCAMPFIREに出向し、家入一真氏のカバン持ちをつとめた。

その後、紆余曲折あった末に中途入社でDeNAへ。戦略投資推進室で働いた。そこで貧困層への開発投資に関われないか試行錯誤を重ねるうちに、現在の事業を思いつき、起業を決意した。「資源の偏りによる機会損失のない世界を作りたい」そんなビジョンに共感した家入氏、エウレカ代表の赤坂優氏、元ペロリ代表中川綾太郎氏から資金を調達し、ペイミーを創立した。

「メルカリも言ってしまえば、消費者の『現金を調達したい』という要望に応えるビジネスですし、CASHも同じ。僕の場合は、賃金という確かなものにのっとったサービスをしようと考えました。

実際、給与にかかわるこの分野でのライバルは銀行と人材業界なのですが、彼らはそれぞれグループごとのつながりがあったりとシガラミも多い。だからこそ、自由にシステムを導入できる弊社は強みを持っていると思います」

これまでは、順調のようにみえるペイミー。最後に、今後の展望を聞いた。

「手数料の一部を積み立てして、フリーランスや期限付きで働く人のプチ退職金にするサービスなども考えています。そして、手数料はいずれゼロにしたいですね。それは別の収益モデルを作れば可能だと思っています。カードを作って、買い物でもポイントが貯まるような仕組みも考えています」

働き方の自由化に伴って訪れている「給与の自由化」に棹さすペイミーのサービス。25歳のCEOの掲げるHENNRYを救う志が叶えば、この国の未来はもっと明るいものになるかもしれない。

後藤 道輝(ごとう みちてる)
1992年東京生まれ。株式会社ペイミー代表取締役。慶應義塾大学卒業。East Ventures株式会社、株式会社メルカリ、株式会社CAMPFIREを経て、株式会社ディー・エヌ・エーに中途入社。DeNA戦略投資推進室での勤務を経て、2017年7月に株式会社ペイミーを設立。