きゃりーぱみゅぱみゅ育てた社長の「自分の“いい”を突き詰める」美学

感覚的だからこそ、うまくいく
大竹 慎太郎, 中川 悠介 プロフィール

大竹:企業の場合は、その想いに“共感してくれる人”を雇っていくことで、強固な組織カルチャーを生み出していき、そこで生み出したカルチャーというものが、その組織を動かしていく大きな原動力になるものです。その共通点は、すごく興味深いと思いました。
それともうひとつ思ったのは、アソビシステムのスケール(拡大)の過程って、本の中で紹介したZOZOTOWNのスケールの過程にすごく似ているんですよね。

中川:ほお?

大竹:ZOZOTOWNというか、創業経営者の前澤友作さんも最初はバンドマンだったんですけど、通販事業のはじまりは、そのお客さんたちに自分たちが“いい”と思っていたレコードとかCDのコレクションを売っていくものだったんですね。その事業がたったの1ヶ月で何百万円という規模にのぼった。
そこでキャッシュフローに余力ができた時に、次の事業として「前澤さん自身が好きな服を好きな形で売りたい」と思って始めたアパレル通販事業が、ZOZOTOWNの原型なんです。

中川:前澤さんの極めて個人的な“いい“という想いが後に、時価総額1.5兆円超えを可能にしたと。

 

大竹:なので本の中では、世界を一変させたWindows95も、当時米マイクロソフト本社にいたある日本人技術者の「こういうOSが欲しい」っていうまことに個人的な想いから生み出されたものだったという話をしています。
その話にも共通するのですが、読者の皆さんには、何かの決断をする場面では、市場調査やマーケティングも大切だけど、それ以前に、自分の“いい”という想いを大切にして、物事の決断をはじめていっていただければと思いました。

中川:Windows95もそうやって、しかも日本人の手によって開発されたっていうのは面白い話ですね。実際きゃりーのチームにしても、自分たちが“いい”と思うものを出し合って、皆で引っ張り合って作り出している感じなので。
どの分野にしても、どの仕事をとっても、まずは自分自身が何を“いい”と思っているかを突き詰めないと、人に“いい”と思ってもらえるはずはなくて、そうしないと大きく当てていくのも望むべくもないことですもんね

大竹:いやー、今日は僕自身にとっても大きな学びがありました。他の起業家の人の創業物語を知るのってやっぱり、異常なほど示唆に富んでいる!

中川:ありがとうございます。そう言っていただけるとありがたいです(笑)

大竹:本の中には、僕の話はもちろんのこと、僕の古巣であるサイバーエージェントの藤田晋さんをはじめ、堀江貴文さんのライブドアや、ZOZOTOWN、ユニクロ、電通、一風堂などの創業物語も詳しく書いているので、その辺の話も楽しみに読んでいただければありがたいです。

中川:他の起業家の方の創業物語って、本当に学びが大きいですよね。(スマホで『起業3年目までの教科書』のアマゾンのレビューページを開きながら)おー、レビューにも「藤田晋、堀江貴文といったIT起業家二大巨頭の著作からの引用で、自身の論説を補強しつつ、その中でもオリジナリティを展開し、先達から学び成功することの重要性について語っている」って書いてありますよ!

■対談者プロフィール
中川 悠介(なかがわ ゆうすけ)
1981年東京生まれ。学生時代から取り組んでいた
イベント運営を経て、07年にアソビシステムを設立。「青文字系カルチャー」の生みの親であり、原宿を拠点に地域と密着しながら、ファッション・音楽・ライフスタイルといった、原宿の街が生み出す“HARAJUKU CULTURE”を、国内はもとより世界に向けて発信し続け、所属のきゃりーぱみゅぱみゅのワールドツアーも成功させた。2014年には新プロジェクト「もしもしにっぽん」を発表し、日本のポップカルチャーを世界へ向け発信すると同時に、国内におけるインバウンド施策も精力的に行っている。また、音楽プロデューサーの中田ヤスタカと共に未成年でも楽しめるクラブイベントを神社、世界遺産等様々な異色のロケーションで開催するなど、地方創生にも力を入れている。

大竹 慎太郎(おおたけ しんたろう)
株式会社トライフォート代表取締役CEO。1980年11月13日生まれ。群馬県富岡市出身。関西外国語大学外国語学部卒業、早稲田大学大学院商学研究科修了(経営管理修士)。2003年に新卒でサイバーエージェントに入社し、新人賞や全社MVPを獲得。SBIグループで新規事業を手掛けた後に、Speeeに経営企画の担当役員として参画。31歳でスマートフォンアプリの開発会社トライフォートを創業し、従業員の数を半年で70人に、3年で180人規模にまで育て、国内最大規模のベンチャー投資ファンドWiLの第一号投資案件になる。LINEとも資本業務提携を締結し、SBIグループのファンド等からも出資を受ける。今後はAI事業など、既存の受託開発事業やゲーム事業以外にも多くの新規事業を創出する計画。
2018年、初の著書『起業3年目までの教科書』 を出版。