「セックスレス」でも子どもが出来た!アラフォー夫婦の超合理的妊活

ドキュメント・高齢出産
富澤 比奈 プロフィール

ドライな夫婦がセックスレスのまま…

「2人とも子どもはほしかったけど、セックスはしたくなくて。だから、子作りは排卵検査薬でタイミングを狙って、自己シリンジ法(夫の射精した精子をシリンジで膣内に注入する方法のこと)で」

なんと数回のトライで妊娠、入籍することに。しかし、15週で胎児の心音が止まってしまい、死産となってしまった。初めての妊娠がこのような結末を迎えたことがショックで、しばらくは何も手につかない状態だったという。

しかし、死産から2ヵ月ほど経って妊活を再開。すると、すぐに妊娠(もちろんシリンジ法で)、第一子となる長女を出産する。

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1年後、生理が再開すると、またすぐにシリンジ法で妊娠した。しかし、今度は5週で初期流産。そこからは、半年以上トライしては生理が来ての繰り返し。そうこうしているうちに、36歳の誕生日がやってきてしまった。

さすがに危機感を感じたひよりさん夫妻は、産婦人科を訪れることに。「(妊娠しにくいのは)単に年齢のせいです」とショックな医師の一言に、不妊治療を決意する。

「出張が多くてほとんど家にいないので、夫を頼ることはできませんでした。後追いがひどくて、ちょっと私の顔が見えないだけでギャン泣きする長女の世話の隙を縫って、ホルモン剤の筋肉注射を何度も何度も自分で自分に打ちました」

必死の思いで自己注射を重ねて採卵(成熟した卵子を卵巣から取り出すこと)したものの、受精したのはたった2つ。その中でも経過が良好な方を子宮に戻したが、着床はしなかった。医師からは、卵巣を休ませるためにも治療の再開は2カ月後と告げられた。

 

「こんな苦労をして卵を採って受精させても、妊娠できないなんて」……もう一度採卵から始めることを思うと、さすがのひよりさんも心が折れそうになったという。

とはいえ、立ち止まることが嫌いな性格も手伝って、治療の休止期間にもシリンジ法にチャレンジ。その結果、第二子を妊娠、37才での高齢出産となった。病院には、あとひとつ、凍結された受精卵が残されている。

「結局、産んでも産まなくても、私だけが毎回苦しい思いをするんですよね」とひよりさんは、自身の経験を振り返る。

「2人産んだし、もうこれでゴールにしていいんじゃないかな?」──凍結された受精卵は1年ごとに凍結を続けるか否かの決断を迫られる。その期限まであと数か月。その時、ひよりさん夫妻はどんな決断を下すのだろうか。