驚愕…!25歳サラリーマンが、3000万円で「会社を買った」話

それも、自己資金はゼロだって…!

最初は起業を考えていたけれど

「学生時代から、会社員として働き続けるのではなく、いつかは独立したいと思っていました。ただ、いざ独立しようと心に決めても、起業がいかに難しいかということも分かっていたので、なかなか踏み出せなかった。他の選択肢はないものかと思っていたところに、『会社を買って、経営者になる』という方法があることを知り、熟考の末、思い切って会社を買うことにしました。

『経営者』になって3ヵ月。業務の改善や経営の合理化を進めた結果、会社の収益は向上していますし、なにより、自分が決めたことが経営に直結することに、大きな責任とやりがいを感じています

こう語るのは溝口勇樹さん。大学卒業後、約一年半勤めた日立製作所を退社し、今年7月から京都の製造所「美山精機」の社長に就任した。弱冠25歳。その若さで社長になる、というのもなかなかだが、溝口さんの場合、家業を継いだわけではなく、美山精機を「買って」社長になったというのだから驚きだ。

「個人が会社を買って、経営者になる」

ひと昔前ならボードゲームの世界でしかありえなかったような話が、現実のものとなっている。

現在、日本の中小企業127万社が後継者不在に悩んでおり、後継者が見つからなければ廃業するほかない、という「大廃業時代」を迎えようとしている。一方で、IT技術の進歩によって、中小企業の社長がネットを通じて全国から後継者を探すことが可能になった。

こうした時代の変化からネット上で「後継者探し」のマッチングを促す「企業売買仲介サービス」が複数登場。その中には個人でも利用できるものがあり、条件さえ整えば、個人でも会社を購入することができるようになっている。

そんななか、溝口さんは、個人のM&A仲介のサービスを利用し、実際に中小企業を「購入」。25歳の若さで会社経営者となったのだ。

その経緯を聞こう。

 

価格は3000万円

「大学在学中から、自分で会社を興してなにか事業をやりたいと考えていたんですが、いきなり起業をするよりも、一度大きな企業で働いて、会社の仕組みを知っておいた方がいいだろうと思って、日立製作所に入社しました。

入社後は、調達部に配属されました。いわゆる資材部や購買部にあたるところで、関東地方の取引先を回って、さまざまな資材の調達交渉を担当しました。とてもやりがいのある仕事でしたし、大きな会社から町工場まで、大小の企業を担当することで、仕事の回し方や製造業者の方々との接し方、さらには経営状況を知るうえで必要な数字の見方など、ビジネスに必要なイロハを学ばせてもらいました。

一方で、仕事のことが分かれば分かるほど、自分でビジネスをやりたい……という気持ちがどんどん強くなってきました。

ただ、いちから自分で会社を興すのがどれだけ難しいかということも、働く中で分かってきた。そこで浮かんだのが、『会社を買う』という選択肢でした。

新聞などの報道で、後継者がいないために廃業せざるを得ない中小企業が増えているということ、そうした会社の売買の仲介を行っている会社があることは知っていました。

とはいえ、実際に会社を買うにはどうすればいいのかは分からない。そのメソッドを知りたいなと思っていたところに、『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』という本に出会いました。この本を読んだことで、会社を買うという選択肢がより現実的なものになったんです」

『サラリーマンは~』は、今年4月に発売されたビジネス書だ(著者は日本創生投資代表の三戸政和氏 https://twitter.com/310jpn)。

「大廃業時代」が迫るなか、後継者を探している中小企業は増え、個人で会社を買う仕組みも整ってきた。そのような時代背景の中で、「自分で起業するよりは、会社を買う方が成功する確率は高いし、日本の優良な中小企業を救うためにも、有能なサラリーマン諸氏は会社を買うという選択肢を持つべきだ」と、個人によるM&Aのダイナミズムを説く本で、発売から半年で累計12万部を超えるベストセラーとなっている。

売却を希望している会社の探し方や、会社を買うための「お金の集め方」についても記述があり、「実際に会社を買いたい」と考えていた溝口さんは、これを参考にしたという。

「日立で働く中で、後継者に悩む中小企業が多いことを肌身で感じていたので、優良な中小企業が売却先を探しているということも理解できました。だから、この本で説かれている、優良な中小企業の後継者になる、というイメージもすぐに持てました。

そこで本書を読んだ後に、実際に売りに出されている会社を探そうと、M&Aを仲介している『トランビ』という会社の企業売買仲介ページ(https://www.tranbi.com/)を見ていたところ、京都の企業が売りに出されていました。

それが、京都の製造業者・美山精機でした。

製造業は、私にとって土地勘のある業種です。希望価格は3000万円。お金のことはあとで考えるとして、まずは美山精機の社長とお話をさせてもらえないか相談をしました」