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# 日本銀行

デフレ経済で日本を苦しめた、白川元日銀総裁の「許されざる罪」

この人には何を言ってもムダだったのか

まったく評価できない

日本銀行前総裁の白川方明氏は、2013年の退任以降沈黙を守っていた。だがこの度沈黙を破り、中央銀行について述べた本を上梓するなど発言の場を増やしている。

白川氏は総裁時代、「2%のインフレ目標を金融政策だけで実施するのは困難」としきりに主張していた。そして実際に達成できていない現状を鑑みて、氏の主張を「予言」と見る向きもある。

ただ一方で、リーマンショック以降のデフレ脱却を妨げた張本人との否定的な見方もある。改めて考えるに、白川総裁時代の日銀をどう評価するのが正しいのか。

白川方明元日銀総裁(Photo by gettyimages)

筆者としては、率直に言って白川氏を評価することはできない。その理由を述べよう。

まず、2%のインフレ目標に関してだが、達成できなかったのは、'14年4月からの消費増税が原因だと言わざるを得ない。というのも、白川氏が否定的だった異次元金融緩和政策によって、インフレ率はいいペースで上昇していたからだ。

'14年5月には、消費増税による見かけの上昇分を除き、インフレ率は前年比で1・6%まで上昇していた。

消費増税がなければ、'14年にもインフレ目標達成はできたかもしれない。要するに、金融政策だけでインフレ目標2%は実施できる可能性はあったといえる。

 

そのうえ、白川氏は消費増税に関して賛成の立場を取っている。そのため、金融緩和を行わず消費増税、という選択肢を取ることもあったかもしれない。そうすれば確実にデフレに逆戻りだっただろう。

なぜ白川氏は間違っているのか。それは本コラムでたびたび指摘しているように、金融政策が「雇用政策」であることを理解していないからだろう。