100歳まで幸せに生きるために「受けない方がいいかもしれない手術」

一度立ち止まって考えることも必要
週刊現代 プロフィール

膝の手術で血管が詰まる

腰痛同様に、年齢とともに増えてくるのが変形性膝関節症、いわゆる膝痛だ。しかし、この手術にも注意が必要だ。

「70代の女性が人工膝関節の置換術をした結果、椎体(背骨)骨折を起こしたケースがあります。人工関節手術によって膝の痛みがなくなり、いきなり動けるようになったため、背骨が持ちこたえられなくなり、いっきに6ヵ所も骨折してしまった。

高齢者の場合、骨粗鬆症によって骨がもろくなっているため、手術によって特定の箇所の痛みがとれたとしても、ほかの部分に無理がかかってしまい、このようなことが起こるのです」(前出・室井氏)

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人工関節の耐用年数にも問題があると語るのは清泉クリニック整形外科 東京・五反田院長の鈴木誠也氏だ。

「人工関節は20~30年もつと言われています。人生100年時代と言われる現在、60歳で人工関節を入れると、100歳まで40年。

するとそこまでもたず、再手術の必要が出てくる。では80歳近くで換えればいいかといえば、今度は手術に耐えるだけの体力がないケースがほとんどなのです」

関節リウマチでもやはり「人工関節の手術はやめたほうがいい」という。

「人工膝関節を入れると、静脈血栓塞栓症(足にできた血栓がもとで肺の血管が詰まる)になるリスクが高まります。そのため、抗凝固薬を一生、飲み続けなければならず、かなりの負担になるでしょう」(前出・室井氏)

 

腕が上がらなくなる五十肩(肩関節周囲炎)は辛い。だが、いくら痛いからといって、医者が勧めるままに手術するのは危ない。

「五十肩はそもそもの原因がわかっていない病気です。骨を削る手術をするのですが、根本的な治療にはなりません。肩だけでなく、首やその周りの筋肉など様々な要因が複雑に絡み合って痛みが出ているので、一部だけ手術をしても効果が薄い。

特に60歳以上の方は、わざわざ体に負担のかかる手術より、ストレッチや入浴をして患部を温めるなど、保存療法のほうが良いでしょう」(室井氏)