ロビンソンガパオ(筆者撮影)

日本人はいつから「アジア飯」を好んで食べるようになったのか

平成食トレンドを振り返る

「アジア飯ブーム」再来!

今、アジア飯のブームが再来している。

アジア飯とは私が、これらの料理が日本に定着した歴史を描いた『パクチーとアジア飯』(中央公論新社)を書く際につけた呼び名で、日本で流行って定着したアジア料理を指す。タイ料理、ベトナム料理、インド料理、中国料理など、東南アジア、南アジア、東アジアのものだ。

『Hanako』2017(平成29)年9月14日号の「今、食べたいのはアジアごはん。」という特集や、NHK-Eテレの2018年8-9月放送の「趣味どきっ!」での「ぐっと身近に!アジアごはん」など、メディアで取り上げられることも多い。

今回のブームの特徴は、家庭にも取り入れられていること、外食店では、アジアからの移民が開いた本格派の店も注目されていることだ。

スーパーに行けば、タイの鶏そぼろのガパオや、インドネシアのチャーハン、ナシゴレンなど、人気のアジア飯を再現できる合わせ調味料のシーズニングコーナーがあり、生春巻きやナンの冷凍食品、バターチキンカレーのレトルト食品といった、簡単につくれる加工食品も売っている。レシピを知らなくても、家庭で気軽にアジア飯を再現できるのだ。もちろん、アジア飯を紹介するレシピ本も書店に並んでいる。

 

移民増加がもたらしたこと

本格派アジア飯の店が増えたのは、近年の移民増加が背景にある。

例えば、コンピュータの誤作動による重大なトラブルが危惧された2000年問題への対応のため、多くのインド人IT技術者が来日したことをきっかけにインド人が急速に増えた。

その結果、金融関係を中心に企業の本社が集中する東京・八重洲には、ダバ・インディアなどの南インド料理店が増え、人気を集めるようになった。

また、今や駅前に蕎麦屋やラーメン屋などと並んでインド料理店がある町は珍しくない。NTT東日本・西日本に登録されているインド料理店の件数は、2007年から2017年までの間に約7倍にも増えている。

ケララの風Ⅱ(インド料理)

今年になって『タモリ倶楽部』(テレビ朝日)をはじめ、さまざまなメディアが取り上げ注目を集める埼玉・西川口など、中国人が集まってきて本場の味で出す中華料理店、中国人向けの不動産屋などが増えた新チャイナタウンなどもある。

従来の中華料理とは違う味は、中国東北部の唐辛子と、しびれる味の花椒が効いていることによるもので、花椒味は静かなブームとなっている。

唐辛子をふんだんに使用した中華料理

ほかにも、ベトナム人が集まる神奈川・いちょう団地、パキスタン人が集まる千葉・八潮など、同郷人の移民が集まる地域では、本格派の料理が食べられ、食材店も集まってきた。

去年あたりから再来した韓流ブームのため、東京・新大久保や大阪・鶴橋のコリアンタウンは、チーズタッカルビなどの韓国発で流行する料理を求める若い女性でにぎわっている。