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さよなら、若者とおじさんを「分断」する社会【北野唯我×正能茉優】

お互いのこと本当にわかっていますか
北野 唯我 プロフィール

市場での小さな成功体験を得るべき

北野 そもそも、社内評価だけでは本当の自信に繋がらないと思ってるんです。なぜなら、「社内評価=社会評価」ではないからです。会社では評価されていた人が、社外では全然通用しなかったケースっていくらでもあるじゃないですか。

正能 社会的な期待値と社内的な期待値を混同しがちなんですかね。例えば、「社長賞取りました!」という内容をSNSに上げて、多くのいいねを集めている人を見かけることがありますが、私は違和感を覚えます。あくまでも社内の話なのに、それが社外つまり社会に認められることで、社会的期待値を背負っているかのように本人も錯覚してしまう。で、そういう人が社外に出て通用しなかったりするのかも。

糸川 実は、私も前職のSIerで働いているときに社長賞をもらって、自分のことをすごいと錯覚していた時期がありました。ただ、今思うとしょうもないことで社長賞を取ったなって感じています。

北野 え! しょうもないことで社長賞って取れるんですか(笑)?

糸川 評価されるポイントってある程度決まっていて、その軸さえ押さえれば取れちゃうんです。実際、私は世に出ているニュースをまとめて配信しただけでしたが、年次の低い社員が自発的にやりましたってアピールしたら取れちゃいました。もちろん、自分のアウトプットが社内で評価されたこと自体は単純に嬉しかったですよ。

正能 嬉しいですよね。ただ、私はそれが社会にどんな価値を生み出したのかも気になるから、「社長賞、からの?」って思っちゃうかもしれない(笑)。

糸川 本当にそうなんです。転職活動のときにいざ社長賞獲得をアピールしたら「だから何?」って反応をされてしまいました。よく考えたら当たり前で、別に私はお金を生み出したわけではなくて、社内の評価基準に合わせてアピールしただけ。そこからさらに視野を広げて、社内基準を満たすことが社外においてどのような価値になるのかまで考えていませんでした。だから、私にとっては社内向けの評価制度が、自分に何ができて、何をしていきたいんだろうっていう思考の妨げになっていたなって思います。

北野 面白いですね、補足すると、会社が成長し続けていて、社員の雇用も約束されている状態なら、社長賞も決して悪くはないんですよね。よくサイバーエージェントが社内表彰を行っていますが、あれは会社やマーケット自体が成長しているから成り立つ話です。

ただ、成長も雇用も縮小している企業のケースだと不幸なことが起こる。社内では最適化されているけど、社外では全然活躍できませんっていう人が40〜50代になったときにバーンッて爆発するかもしれない。つまり、会社がなくなったらその人も一緒に市場から消えてなくなってしまう。社内賞で大事なのは「会社が雇用を約束できるだけの成長を担保できるか」なんですよね。

 

正能 漠然と不安に思っている人が変わるためにできることって、どんなに小さくても良いから社会とつながる中で成功体験を積むことだと思うんです。

北野 まず、最初には始めるべきなのは、5000円でも1万円でもいいから、ちゃんと自分の得意なことや技術でお金を稼ぐってことからスタートすることですよね。

正能 そうそう。私の場合は、大学時代に1個500円の商品を2000個売った経験が今の私を形作っています。売上はたった100万円だけど、この経験があったからこそ大きな自信が生まれて、自分がどうなりたいかを見失わずにやってこられた。

北野 この「20代で作るメディア」というプロジェクトでも、まさにそれをやりたいと思っています。

世の中に対して自分たちが問いかけて、それによって何か変化が起きて、評価されるっていう経験。それが一番重要なんじゃないかな。特に、市場から評価された経験があると、人ってすごく自由になれるし、自信を持てるはず。このプロジェクトの参加者には世代間をつなぐための議論を重ねながらも、それ自体を成功体験として残していってほしいです。

▼ みなさんでメディアを作りませんか?

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ツイートはすべて本プロジェクトの運営がチェックし、面白い感想は、次回の座談会で取り上げます。本記事を読んだ感想などのツイートなど大歓迎。ぜひ、あなたも20代でつくるメディアに参加してみませんか?

▼「講談社×北野唯我 20代で作るメディア」プロジェクトとは?

『転職の思考法』著者の北野唯我さんと講談社・マネー現代編集部が「衝突ではなく、世代間をつなぐ」をコンセプトにしてタッグを組む新プロジェクトです。事前に応募してくれた20代の男女の若者たちとともに、「金・キャリア・テクノロジー」の観点でディスカッションをしながら、世代をつなぐきっかけを考えていきます。

ディスカッションは月に1度のペースで、次回は11月中旬に実施予定です。