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さよなら、若者とおじさんを「分断」する社会【北野唯我×正能茉優】

お互いのこと本当にわかっていますか
北野 唯我 プロフィール

北野 正能さんはどういった欲求から会社をやっているんですか?

正能 地方に尊敬する先輩がいて、その人と一緒にいろいろやりたいと思ったこと。そして、実際に小布施という町に行ったら、そこがすごく素敵だった。だからその魅力を伝えたいなと。本当にそれぐらいのものですよ。やりたいことって、続いた理由を探した時のあくまで結果論だと思うんですよね。

北野 そもそも上の世代の方たちって、若者の三大欲求やお金に対する欲が低下していると考えていますよね。もっと「金使えよ」「遊べよ」と。これはどう思いますか?

正能 落ちているというより、分散しているんだと思います。今までは、限られたコミュニティのなかでリアルに三大欲求を満たすことしかできなかった。でも、今ではコミュニティがたくさん形成されて、スマホを使えば簡単にそういった世界にもアクセスできる。もはや欲求を満たす手段も環境も無限に増えているということです。

自分はどうありたいか、他人からどう見られたいか

北野 確かにそうですね。さらに、スマホによって新たな欲求が大きくなっているようにも感じます。

ある会社の社長と話したとき、「二階建ての消費」っていう表現をしていたのがすごく印象的だったんですよ。一階部分がおいしいものを食べたいとかの食に対する欲で、二階部分がインスタなど人に見せたい欲なんだそうです。

インスタ映えするような東京のレストランの客単価って上がり続けていて、しかも一人当たりの単価が10〜20万円もする店が1〜2年予約がとれない状態。つまり、それだけ二階部分のバリューが高くなったということなんです。

 

正能 そんな時代だからこそ、自尊心とプライドのバランスに気をつけなきゃいけないと思うんです。自尊心はこうなりたいっていう自分の目線で、プライドは人からこう見られたいっていう他者目線じゃないですか。SNSが流行っていると、どうしても他者目線で物事を見る癖がつく。つまり、プライドを重視して、自尊心を大事にできない世界になっちゃいますよね。

北野 それこそ田中さんは新卒でベンチャー企業へ行くことに葛藤はありませんでした?

田中 内心とても不安でした。周りの友人は大手企業ばかりに内定をもらっていて、「え? 自分って存在してない?」という気持ちになってしまったんです。でも、仕事に打ち込むうちに、それも気にならなくなっていきました。結局は、自分がここで働いてみたいと思った気持ちに従うことが、人生の満足感につながると思ったので。

正能 私もそうなんですが、みんなプライドよりも自尊心を大事にしたいってところまではたどり着く。でも、そこから一歩行動するってことができなくて苦しいんですよね。実際に行動に移した田中さんはすごいなあ。