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テイラーVSカニエ…米中間選挙が史上初「インスタ選挙」になった深層

「トランプ集会」で支持者に聞いてみた

テイラー・スウィフトの告白

いよいよ米中間選挙の投開票が迫ってきました。今回の選挙戦の中で大きな話題となったのが、若者に人気のカントリーポップス歌手、テイラー・スウィフトさん(28歳)が「民主党支持」を明言したことです。

これまでスウィフトさんは政治的立場を明確にしていませんでしたが、10月7日、1億1200万人ものフォロワー数を誇る自身のInstagram上で民主党候補を支持することを明かすとともに、有権者に向け、「ぜひ、みなさんも自分の価値観と近い人に投票してください」と呼びかけました。

投稿の中で、スウィフトさんは「私はこれまで、人権のために戦う候補者に投票してきました」「性的少数者の権利のための戦いを信じているし、性志向やジェンダーに基づいた差別は、どのような形であれ間違っている」と述べています。さらには、彼女の地元テネシー州の共和党上院議員候補となっている、マーシャ・ブラックバーン下院議員の行動を批判しました。

instagramでのスウィフトさんの投稿

ブラックバーン議員は女性ですが、スウィフトさんは「彼女は性的少数者の権利や女性に対する暴力防止法の再承認に反対した」と指摘し、フォロワーに向けて「どうか、どうかあなたの選挙区の候補者のことを調べて投票してください」とも訴えました。

このタイミングでスウィフトさんが民主党候補支持を表明した背景に、投稿前日の10月6日、性的暴行疑惑の渦中にあったブレット・カバノー氏を最高裁判事に任命する人事が米議会で承認されたことがある、と見る向きがあります。投票に必須の有権者登録の期限が迫っていたことも考慮したかもしれません。一方で、「リベラル色が濃いハリウッドのショービジネス界でサバイブしていくために、リべラルな候補者の支持表明をせざるを得なかったのだ」という冷ややかな見方もあります。

 

トランプ大統領は10月にテネシー州へ入り、ブラックバーン議員の選挙応援集会を開いています。先の投稿の中で、スウィフトさんはブラックバーン議員を名指しで非難しましたが、トランプ大統領の熱狂的支持者は、スウィフトさんの言動を「大統領への挑戦」と受け止めているようです。

実際、世界中に1億人を超えるフォロワーを持つ彼女が、とりわけ若者に対して「有権者登録をしましょう」と強く促したことは、トランプ大統領にとって大きな懸念材料でしょう。というのも、トランプ支持者の集会に参加すると分かるのですが、大統領の支持層は中高年が圧倒的に多く、若者が少ないのです。

データを見ても、2014年中間選挙の下院予備選における投票率と18年のそれを比較すると、民主党は票を89%も伸ばしていますが、共和党の伸びは24%にとどまっています。スウィフトさんの発言が、これまで政治に興味がなかった無党派の若者に火をつけてしまうと、言うまでもなく共和党にとっては「マズい」わけです。