オードリー若林「もうすぐ、マウンティングがダサい時代が来る」

「ナナメ」とサヨナラした男が思うこと
伊藤 達也 プロフィール

女性への偏見が消えた瞬間

おなじみだった「女性が苦手」というキャラも、すっかり捨ててしまったようだ。

「自分のキャラクターについても、本当のことを言わないとやっぱりスベるんですよ。熱量が違うんです。いまさら、僕が人見知りのフリをしたり、女の子が苦手なフリをするのは限界がある。毎日、あき竹城さんや松本明子さんに会ってるんですから、人見知りも治ってくるわけですよ(笑)。それなのに、人見知りのフリまでしてテレビで笑いを取りたくない。というか取れないんです」

若い頃は「女性がエロすぎて直視できなかった」はずが、今は苦手意識もなくなった。

 

「『女性って、イルミネーションとラテアートが好きで、結果を出してない男が嫌いなんだ』って、マジで思ってたんです。それで、無闇に反発してた。でも、そんな自意識もだんだん減少してきたところで、作家の西加奈子さんと加藤千恵さんとお食事する機会があって。その時に腰抜かすほどびっくりしたんですよ。

僕が『イルミネーションに全く興味がない』っていう話をしても、女性への偏見を撒き散らしても、ゲラゲラ笑いながら聞いてくれた。『若林さんならそやろなー』って。自分の話を受け止めてくれる異性がいることを初めて知って、偏見もなくなっていきました。

なもんで、もう正直に行くしかないと思っています。ファンにガッカリはされているみたいなんですけど。でも、僕には僕の人生があるし、気にしていられないです。これからは自分がその時に感じたこと、面白いと思ったことを喋っていくしかないかな」

――あの頃の尖りがなくなってしまったことに、寂しさは感じないですか?

「寂しさは、あるっちゃあるのかな。怒りや復讐心で物を作る時のエネルギーって、すごいですから。

でも、それってエンジンの回転数が高いから、体力がないとできない。朝4時までファミレスで、くそーっと思いながら何かを作ったり、というのは今はできないですね。

それでも、20代には1日たりとも戻りたくないです。ピストルズを聴いて昂ぶって、原付でライブに行って漫才して、っていう青臭い日々。ベタベタになったオールスター履いて、タバコも吸って――あれはあれで良かったのかな、とは思いますけど、戻りたくはない。不思議なもんですけど。だから青春は終わったんだと思います」