オードリー若林「もうすぐ、マウンティングがダサい時代が来る」

「ナナメ」とサヨナラした男が思うこと
伊藤 達也 プロフィール

「激レアさん」を引き出すのが好き

キャリアを重ねるにつれて、MCを担当する番組も増えている。かつてはオードリーの「春日じゃないほう」という扱いだったが、落ち着いた話回しのうまさやツッコミが安心感を与え、何より「尖った人」が絡むトークをとにかく盛り上げる。

先日特番が放送された『しくじり先生 俺みたいになるな!』(テレビ朝日系列)でも、解散の危機を告白した品川庄司など、「しくじったタレント」にジャージ姿で的確なツッコミをいれていた。

深夜帯の人気番組『激レアさんを連れてきた。』(同)では、「自宅の狭い長屋で狼7頭の群れを飼い、全身メチャメチャ噛まれながら暮らしていた人」「コートジボワールの超国民的アイドルと極秘で付き合って7年間誰にもバレず、結婚までいけた人」と、まさに好きなことに没頭する尖った人生の持ち主を相手に、番組を回している。

聞いてみた。最近、そういう仕事が増えたと思いませんか?

 

「ちょうど昨日、それを考えていたんですよ。MCのような仕事をやらせていただくようになって、『しくじり先生』と『激レアさん』は本当に運が良かったなって思っています。

成功した人、おしゃれな人の話を聴く番組もありますけど、僕には向いてないなと思うんすよ。成功してる人の成功した秘訣を聴いても、スタジオでもう何も言えることがない。スクールカーストが高かった人たちに、低かった僕が言うことはないです(笑)。

やっぱり、『しくじり先生』や『激レアさん』みたいな話が好きなんですよね。春日も激レアさんだし。

オードリーは、春日が変人で、僕がまともな感じでツッコミを入れて、という漫才を十数年やってきました。でも、漫才での自分と、もともとの若林正恭という人間とは違っていて、作家の平野啓一郎さんの言う『分人』のように、キャラクターを変えることには慣れています。そして、その関係性が楽しい。

『激レアさん』も『しくじり先生』も、構図としては漫才と同じなんです。自分でやっていて好きだから、楽しく収録もできる。『なんでオオカミを7匹も家で飼うのか』とか『なんで雷に撃たれて病院に行かないのか』とか、そんな話が好きなんです。どんな人でも、その人の年表を聴くのが本当に好きなんです」

自己啓発書なんて、強者が読む強者の本なんで、僕には関係ない。番組も一緒です――。

読書芸人としても知られるキッカケとなった、「自分の好きなことが語れる番組で大好き」という『アメトーーク!』でも、これまでとは違う出演の仕方をした。先日放送の「人見知り芸人」回で、「人見知り卒業芸人」として、MC・雨上がり決死隊の隣に座ったのだ。