# 中間選挙 # 米中貿易戦争

トランプが中間選挙に勝っても負けても「おそらく変わらない」もの

逆転シナリオも出てきたけれど

来週火曜日、11月6日に、注目の米議会の中間選挙が行われる。このコラムがアップされる時には、残された日々はちょうど1週間になっているはずだ。

最新の情勢で気になるのは、トランプ大統領が世界平和や経済成長を脅かすような秩序の破壊も厭わず、自身や共和党の支持層受けのする政策を連発する猛烈な巻き返しに出ており、一時は確実とみられていた民主党の下院奪還も怪しくなっていることだ。4年ぶりの「ねじれ議会」誕生というシナリオも揺らいでいるという。

米国の政治・選挙サイトの調査をもとに、最新の中間選挙情勢を検証したうえで、それがトランプ大統領の政権運営や2020年の米大統領選挙にどのような影響を与えるのか探ってみたい。

 

陰りが見えていたはずなのに……

以前にも本コラムで紹介したが、中間選挙というのは、米国で2年毎、西暦の偶数年の11月の第1月曜日の次の火曜日に行われる国政選挙のうち、4年に1回の大統領選挙がない時に行われる選挙のことだ。中間選挙では、連邦上院議員の3分の1にあたる33議席と連邦下院議員の435議席すべてが改選されるほか、欠員状態の上院議員の補欠選挙や各州の州知事選挙、各自治体の公職の選挙などが行われることもある。

今回の中間選挙がいつもの中間選挙以上に注目されるのは、アメリカ・ファーストの保護主義政策を掲げて、かけがえの無い世界平和と経済成長のエンジンだった自由貿易体制を揺さぶり続けるトランプ大統領の共和党が、今後も上下両院で過半数を握って、やりたい放題の政権運営を続けられるかどうかの分水嶺になるからだ。

数週間前までは、反トランプ色の濃い米マスメディアの影響を受けて、日本でも、共和党が下院で多数派の地位を失うのは確実という報道が多かった。

主な根拠は4つある。その第一は、過去の中間選挙の結果を見ると、大統領の出身政党が議席を減らすことが多いことだ。第2次世界大戦後に行われた18回の中間選挙で、大統領が所属する政党は平均して下院で26議席を失っている。これは、政権運営を肯定的に評価する票より、批判する票の方が集まり易いためだとされている。つまり、過去のパターンからみて、トランプ共和党は不利というのである。

加えて、トランプ政権固有の問題が3つ。まずは2016年の大統領選でトランプ氏勝利の原動力だった、アイオワ州、イリノイ州、ネブラスカ州、ミネソタ州といった中西部の穀倉地帯「ファームベルト」の動揺だ。トランプ大統領が仕掛けた米中貿易戦争で中国が同地域の主要作物であるトウモロコシや大豆に報復関税を課したため、多くの農民が輸出の減少を懸念しているというのである。

さらに、「ファームベルト」と並びトランプ政権誕生の原動力だった中西部のラストベルト(錆びついた工業地帯。イリノイ州、インディアナ州、ミシガン州、オハイオ州、ペンシルバニア州など)各州でも、状況は似たり寄ったりだった。

8月に中西部オハイオ州であった連邦下院第12区の補欠選挙では、この選挙区が1983年から議席を維持してきた共和党の牙城とされ、現職議員の引退に伴い地盤を引き継いだ新人候補が圧勝するとみられていたにもかかわらず、大接戦となったことは、トランプ人気の陰りを示すものとされ、他の地域でも離反が続くのではないかとの見方が多かった。

最後が、民主党躍進の原動力になっている女性候補旋風だ。アメリカでは昨年来、性暴力被害を訴える「#MeToo」運動を背景に、セクハラで告発された男性政治家の辞任が相次いだことに加え、トランプ政権に抗議する女性中心の大規模デモも繰り返されており、有権者の間にも反トランプ大統領の立場から政治に強い参加意識が持つ女性が増えているとみられていた。

そんな中で、トランプ大統領は巻き返しに打って出た。接戦が予想される選挙区に自ら乗り込んで、自身や共和党の保守層に受けそうな政策を連発して事態を打開しようとしているのである。

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