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ECはエンタメ系の時代へ? タイで大人気「最強EC」のすごい実力

ECをゲーム化する画期的なサービス
堤 春乃 プロフィール

現地人の「購買心理」に徹するマーケティング戦略

Chilindoはアプリ・サイト上の購買体験をエンターテインメント化するだけに留まらず、タイ人の購買行動に沿ったマーケティングを行なっている。

iPriceがタイとその周辺国であるマレーシア、ベトナムの消費行動を調査した結果によると、消費者がオンラインで商品を購入する際に重視する情報は国によって大きく異なる。

マレーシア人は広告やお買い得情報を重視し、ベトナム人は商品の実用性や価格を一番に見る。一方、タイ人は友人や家族の口コミもとても重要視する。

 

こういったタイ人の特性を反映したiPriceによる別の調査結果もある。3カ国のソーシャルメディアにおける購買行動をリサーチした調査によると、タイ人は3カ国の中でeコマース企業のFacebook投稿に最も積極的に反応する。ただ気になる製品をいいねするだけでなく、その製品の投稿をシェアしたり、コメントしたりすることで購入に到るまでに出来るだけ多くの周囲の意見を聞いているという。

そこに目をつけたChilindoはFacebook上で動画や画像、GIFなどを積極的に投稿することで、タイ人の購買意欲を高めている。現在同社のFacebookのいいね数はタイのインターネット人口全3900万の17%に当たる650万人にものぼる。対する楽天市場のFacebookのいいね数は約800万であり、その数は日本のインターネット人口1億84万人の8%ほどと考えると、Chilindoの人気ぶりが伺える。

様々な商品を写真で紹介するFacebookの様子〔photo〕Chilindo

東南アジアから世界を目指す!

Chilindoは2014年にドイツのファミリーオフィスから約5000万円の資金調達をして以来、一度も資金調達を行わずここまで成長してきた。

当初は1億円ほどの売り上げだったが、2017年には約100億円の売り上げを達成し、従業員も1000人を超える規模となった。2016年にはタイで、今年に入ってからマレーシアで、それぞれアンドロイドのショッピングアプリ部門でトップ10にランクインするなど、東南アジア各国にそのサービスを展開している。

「Chilindoはタイにショールームを構えています。マレーシアとベトナムでも商品を管理できる巨大な倉庫を購入しました。これらの国では自社でのサプライチェーンを強化していく予定です。その他の国では、新たに参入を決めるまではクロスボーダーでの発送で進めていくつもりです」とJensen氏は語っている。

Chilindoはタイ、マレーシア、ベトナムを拠点に国内の消費者向けのeコマースサービスを提供すると同時に、アジアとヨーロッパを中心とする世界18カ国のユーザーに商品を販売することで、越境eコマースにも対応している。

成長市場のアジアに止まらず、世界中にサービスを展開できる可能性を持つ同社は現在更なる拡大のため資金調達を目指している。

参考:タイのEコマースマップ

(出典 iPrice:https://ipricethailand.com/insights/mapofecommerce/en/)