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ECはエンタメ系の時代へ? タイで大人気「最強EC」のすごい実力

ECをゲーム化する画期的なサービス
堤 春乃 プロフィール

なぜすべての商品が「約3円」から入札できるのか?

日本で最も有名なオークションサイトといえば「ヤフオク!」。ヤフオクでは個人の出品者が最低価格を設定し、その金額を上回る入札をする人が現れれば入札が決定する。

一方、Chilindoで販売されている商品は個人が出品したものではなく、サービス運営者のChilindoが仕入れた商品のみ。全ての商品を1THB=約3円から入札することができる。

 

「Chilindoのオークションモデルは、売り手に高い価格で騙されて買い手が購入するものではありません。買い手が価値があると思ったものに対して入札をすることで、より魅力的な購買体験ができると考えています。

ショッピングとは、ただ物を買うという行為ではありません。エンターテイメントです。最も良い取引を実現することは、ショッピング体験の満足度に一番影響を与えます。だからこそ、オークションモデルとはショッピングをより楽しいものとできる方法だと信じています」

Chilindoの創業者Caspar Bo Jensen氏は、Tech in Asia 英語版の記者にそう語った。

製品ページでは、リアルタイムの入札履歴を閲覧できる〔photo〕Chilindo

「エンタメ×手頃な価格」で市場を制覇する!

東南アジアは今まさにeコマースが生活に浸透し始めている。Googleとシンガポールの投資会社Temasekの調査によると、2015年の東南アジアのeコマース市場の規模は約6350億円。早くとも2025年にはマーケットは約10兆円にまで成長すると予測されている。

10兆円という数字には、FacebookやInstagram, LINEやメッセンジャーのようなソーシャルプラットフォームを活用したC2Cコマースは含まれていない。東南アジアにおけるC2Cコマースはeコマース取引総額の30%〜50%を占めるなど大きな存在感を放っているので、このC2Cコマースの取引総額を足せば、東南アジアのeコマース市場がいかに将来有望かが伺える。

東南アジアの中でも、Chilindoが生まれたタイは成長市場と見られている。マレーシア発のeコマース比較サイトを運営するiPriceの調査によると、タイは2025年には東南アジアでインドネシアにつぎ第二のeコマース市場となるそうだ。

将来的には、現在の中国のような生活水準になると予測されるタイだが、現時点においての個人の購買力はそれほど高くない。

2016年にAlibabaが買収した、東南アジア各国に展開するeコマース企業LAZADAもタイにすでに進出しており、そのシェアは40%を誇っているが、現地の起業家らはまだ既存のプレイヤーが満たしていない消費者ニーズがあると考えていた。

Chilindoは、ショッピングにエンターテインメント性を持たせるオークション機能、そして手頃な価格で商品を購入してもらえるように徹底的に効率的なサプライチェーンを築くことで新たなニーズに応えた。