70歳すぎての全身麻酔には、こんな注意が必要です

手術は成功、でも目が覚めない 
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そこまで慎重を期していながらも、なぜ麻酔の事故が起こるのか――。

その要因として考えられるのが、麻酔科医の「不足」だ。

日本麻酔科学会は、麻酔科医が不足している理由について「長時間労働や不規則な勤務体系」を挙げている。

 

麻酔科は、外科医が手術をするとなればいつ何時であってもスケジュールを合わさなければならない。それでいて慎重な麻酔薬の投与が求められるため、非常にストレスも強い。

勤務環境の改善により麻酔科医も以前よりは増えてきているというが、十分とは言えない状況で、しかも地域格差もある。

さらに、近年は医療技術の発達により手術数が増えており、一人当たりの麻酔科医の負担はどんどん重くなっている。

大病院ならまだしも、クリニックなど小規模な病院は麻酔科医が常駐しておらず、外科医自らが麻酔を行い手術することもある。

'10年には、福岡の整形外科医院で担当医がモニターすら用意せず全身麻酔を行ったため、手術中の異変に気づかず患者が死亡した事件も起こっている。

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「麻酔科医は手術中、血圧、心電図、酸素が全身に行き渡っているかを見るパルスオキシメーターを含めた生体モニターを常にチェックする必要があります。

非常に重要なポジションです。たとえ小さな手術であっても、麻酔科医がいない病院でやると大事故につながる可能性があります」(前出・合谷木氏)

70歳以上の人は麻酔のリスクを十分理解した上で、その手術が本当に必要なのか、考えてほしい。

「週刊現代」2018年10月27日号より