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TBS『下町ロケット』とテレ朝『リーガルV』の安定感ったら…

ところで、どうした王者・日テレ?

夏に比べると在宅率が高く、視聴率戦争の最終段階である秋冬に、これまで数々のヒットドラマが生まれてきた。まさに役者が揃った今クール、約30作もある連ドラのなかから、上質の作品を紹介する。

勧善懲悪の爽快感

10月からスタートする秋の連続ドラマの数字は、年間の視聴率争いを決定づける。それゆえ各局とも見応えのあるラインナップが揃った。

なかでも今秋最大の目玉作品と言えるのが、TBSの看板枠である日曜劇場の『下町ロケット』(日曜21時)とテレビ朝日の『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』(木曜21時)の2つだ。

5年連続の年間視聴率「三冠王」を目指す日本テレビは、今年はまだ連ドラでヒットがない。

「今年1月から10月第1週目までの平均視聴率は、全日帯(6時~24時)で1位の日テレが7.9%、2位のテレ朝が7.7%とその差はわずかです。

10月第1週だけの平均視聴率で言えば、全日帯はテレ朝が7.8%で日テレの7.7%を上回り、プライム帯(19時~23時)では2局とも11.3%で並んでいます。今秋のテレ朝の連ドラは強力ですから、年間視聴率のトップ争いはさらに激戦になりますよ」(民放テレビ局幹部)

一方で視聴者にしてみれば、『下町ロケット』と『リーガルV』は期待できるのか?そしてその間に割って入る、大人が楽しめるドラマは何か?それが知りたいところである。そこで本誌はドラマ通に意見を聞いた。

『リーガルV』は米倉涼子が主演。彼女の大ヒット作『ドクターX~外科医・大門未知子~』とプロデューサー、演出家が同じで、米倉は資格を剥奪された元弁護士を演じる。医療から法廷へと舞台は移るが、痛快なストーリーは不変だろう。

作家・コラムニストの亀和田武氏は『リーガルV』にこう期待する。

「米倉さんは、言ってしまえば演技派ではありません。しかし、あのざっくりとした彼女の雰囲気が、テンポのよさや外連味のあるエンターテインメント感を生み出す。

爽快な勧善懲悪ドラマにぴったりな女優だと思います。本作は『柳の下の2匹目のどじょう』かもしれないですが、元弁護士という設定が、単なる通俗ドラマではない社会性を残してくれればと思っています。新しい味わいを見せてほしいですね」

米倉の脇を、小日向文世や高橋英樹、勝村政信などのベテランが固める。

 

対する、『下町ロケット』は安定感がバツグンだ。主役は下町の精密機械メーカー『佃製作所』の社長・佃航平(阿部寛)。パート2である今回のテーマは「農業」。

佃を中心に中小企業の社員たちが、自動運転が可能なトラクターのエンジンとトランスミッションの開発に挑む――。なんと言っても、見せ場は憎らしい悪役との対決。

今作では神田正輝、古館伊知郎、尾上菊之助らが敵役として登場する。ドラマ評論家の黒田昭彦氏が言う。

「佃製作所がピンチに陥り、新分野の開発に社運を賭ける。前作とほとんど同じ展開で安心して観ることができます。

さらに『下町ロケット』の見どころは、実際の現場を再現したリアリティに加えて、オリジナリティのある新製品を開発するところ。設定がまだ視聴者に馴染むかどうかわからない『リーガルV』と比べると、『下町ロケット』が優勢でしょう」