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東京23区に集中?「孤独死」そのヤバイ現実

~特殊清掃の現場から

いまや全国の孤独死の3分の1が都内23区で起きているともいわれる(2017年)。地域の結びつきが弱まり、近隣の人も気づかず数日放置されているケースも多いという。単身現役世代も、配偶者を失くし子どもと離れて暮らす一人親も、いまや誰もが「孤独死」のリスクにさらされている。その知られざる実態と対策を描いて話題となった『遺品は語る』(2016年刊)から一部公開する。

急増する「一人暮らし」と「孤独化」

日本中に空き家が急増していることはよく報道される。2013年には空き家総数は約820万戸、空き家率は全国平均で13.5パーセントだというからたいへんな数だ。

空き家が増える理由としては、転居もあるが、一人暮らしの方が亡くなった結果、持ち家が空き家になるというのが大きな原因のひとつだ。いま日本には高齢者の一人暮らしが増えているのだから、その先に空き家の増加があるのは当然だろう。私には、それは日本社会が抱える大きな問題だと思えてならない。

65歳以上の高齢者で、一人暮らしをしているのは、男性が約190万人、女性は約400万人で、合計590万人以上もいる。1980年には男女合わせても90万人以下だったことを考えると、この間の激増ぶりがよくわかる。

高齢者の中に占める一人暮らしの割合も、いまや高齢者世帯数全体の約半分となっている。高齢者の一人暮らしが増加するのは構造的なもので、「一人暮らし予備軍」も多い。

いまはご両親が健在でもけっして安心はできない。「(離れて暮らしているが)両親は2人で暮らしているから」と言う都会暮らしの子ども世代が多いのだが、いまは2人でも、いずれ「一人暮らし」になる。それは時間の問題だといってもいい。

一人暮らしそのものが悪いわけではないが、問題はその先の「孤独化」だ。居住地域において「見守り」が行き届いていればいいが、そんな地域ばかりではない。地域コミュニティから孤立したまま老齢となり、今後も将来にわたって一人暮らしのままならば、やがて本当の意味で孤独化していくことになる。

高齢化が進んだ社会というのは、「亡くなる人間が多くなる社会」でもある。死者の数それ自体が増える時代ともなれば、「どんな死に方をするか」にも注目が集まって当然だ。

少子化で子どもが少なくなり、独居高齢者が増え、地域コミュニティが消失した社会の中で、いわゆる「孤独死」も増加している。そうした状況を行政は必ずしもカバーできていない。日本は毎年2万以上の人が自殺するが、それに匹敵するか、それ以上の人数が孤独死する国でもある。

 

その数について、きちんと統計が取られているわけではない。誰にも看取られずに息を引き取り、周囲に気づかれずに放置されていたという死に方には、突然の心肺停止もあれば自殺や餓死なども含まれ、明確に分類できないようなケースもあるからだろう。それでも、東京23区で4500人、全国で3万人以上などといわれ、その数が年々増えていることは確かだ。

私は、そんな時代に遺品整理の仕事に携わっている。誰にも気づかれずに、死んだことを知る人もなく、ひっそりと一人でその生涯を終える。孤独死、あるいは自殺――。そんな現場に、私は何度も立ち会ってきた。