「君は要らない」とメールを送られ…日大を「解雇」された助教の嘆き

「あと3年、働けると思ったのに…」

今年5月以降、問題が噴出している日本大学。アメフト部の危険タックルと監督・コーチの指示の有無をめぐる問題、非常勤講師の大量雇い止め、応援リーダー部の女性監督による部員へのパワハラ、水泳部員の後輩への暴行……。

相次いで問題が起こった日大だが、ガバナンスは正常化への道をたどっているのだろうか。

さる10月17日、東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷・私学会館で、日大の非常勤講師を中心に構成されている労組「日大ユニオン」と日大の団体交渉が行われた。主な議題はユニオン側が求める労働条件の改善などだったが、とある教員の「契約解除」について、日大の対応に問題はなかったのかどうかが話し合われ、関係者の間で注目を集めているという。

 

3年残して…?

「日大の姿勢は、いまも変わっていないと思います」

そう話すのは、今年3月に日大から契約を解除された薬学部の元助教のAさん(男性)だ。Aさんは、教授から度重なるパワハラ、アカハラを受け、契約解除になってしまったという。Aさんによると、大学は本件について調査もしないまま、「パワハラやアカハラはなかった」と結論を出したそうだ。被害を訴えているAさんに実情を聞いた。

「長い間、教授からパワハラやアカハラを受けてきました。そのことを学部長に相談しても、状況はまったく改善されませんでした。大学が設置している人権相談オフィスや、人権救済委員会に相談しても、まともに取り合ってくれなくて……」

今年3月に日本大学に契約解除された、薬学部の30代の元助教・Aさんは溜め息まじりにこう話す。

Aさんは2012年より、日本大学で助教として働いていた。助教として採用された場合、任用期間の上限は3期9年。関係者によると、通常、多くの助教が3期在籍しているというが、Aさんは2期目が終わった6年で、突然契約を解除されたという。

Aさんは妻と二人の幼い子どもを抱えている。今年4月以降、大学の職を探したが見つからず、現在は病院でパートタイマーの薬剤師として働いている。

Aさんは、日大で勤務する前は、民間の病院の薬剤科長を務めていた。栄養・緩和ケア領域を専門とする薬剤師が参加する研究会で、日大の教授と知り合い、教授から「大学に来ないか」と誘われるようになったという。一度は断ったが、再び誘われた時、大学教員の道を目指していこうと意を決して、病院を退職。日大の助教として採用された。

ところが、大学に来ないかと誘った張本人である教授から、「パワハラやアカハラを受けて、体調を崩し、ついには雇い止めまでされてしまった」(Aさん)というのだ。

「病院を辞めて助教になった時点で、その教授に人生を預けたようなものです。自分で誘っておいて、わずか6年でクビを切られるなんて……半年が経ったいまも、許すことができません」