日本国破綻に備える、とってもカンタンな方法

アベノミクスが失敗しても大丈夫!

「未知のゾーン」で起こること

保守的な投資家にとっては、「1 楽観シナリオ」と「2 悲観シナリオ」の全期間、および「3 破綻シナリオ」の第1ステージにおいては普通預金が最強の金融商品です。

 

あるいはここで、「財政破綻に備えるのなら外貨建て資産を保有すべきではないのか」と考えるひともいるかもしれません。「国家破産」という言葉には、日本国内の資産がすべて失われてしまうという強い含意があるからです。

もちろん海外の株式などで資産運用するのは有効な方法ですが、保守的な投資家(すなわち日本人の大多数)が「国家破産」対策としていますぐ外貨建て資産を購入する必要はありません。なぜなら現時点でもなお、アベノミクスによって「楽観シナリオ」「悲観シナリオ」「破滅シナリオ」のどれが現実化するかは誰にもわからないからです。

「楽観シナリオ」では好景気をともなう金利上昇が起こるのですから、無理に外貨資産を保有する必要はありません。「悲観シナリオ」ではデフレ不況が継続しますから、長期的には円高が進行します。問題なのは「破滅シナリオ」ですが、国債価格の下落によって大幅な金利の上昇が起きたとしても、それがただちに円安につながるとはかぎりません。為替市場の経験則では、高金利は短期的には通貨高になるからです。

3.11東日本大震災のときは、「被災した日本企業が資金確保のために海外資産を売却する」との思惑でヘッジファンドが投機的な円買いを仕掛け、一時的な円高が起こりました。このときは先進諸国の協調介入ですぐに円高は修正されましたが、「破滅シナリオ」における金利上昇局面でも同じストーリーで円高の投機が仕掛けられる可能性があります。未来を正確に予測することは誰にもできないのです。

「破綻シナリオ=円安」と決めつけて大量に外貨資産を保有していると、金利が上昇する局面で思わぬ損失を被る恐れがあります。もちろんほんとうに円安が起きて利益を得ることもあるでしょうが、これは要するにギャンブル(確率のゲーム)ということです。

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金利が上がれば利息は増えるし、1000万円までの元本と利息は日本国が保証してくれるのですから、「破滅シナリオ」の第1ステージでは、為替リスクを取るより普通預金のほうが資産運用戦略として優れています。

ところが「破滅シナリオ」の第2ステージでは、インフレと円安によって円資産の価値が失われ、日本人の資産ポートフォリオの中核(不動産、年金、円預金)が大きく毀損してしまいます。

経済状況がこの段階まで悪化すると、もはや普通預金だけでは資産を守ることができません。そのとき私たちはいったいなにをすべきなのか──。

詳しくは拙著『国家破産はこわくない』(講談社+α文庫)にあたっていただければと思います。不確実な未来に不安を感じているひとにとって、本書の提案はいまも役に立つはずです。