日本国破綻に備える、とってもカンタンな方法

アベノミクスが失敗しても大丈夫!

日本国の財政破綻3ステージ

本書はまず、日本国の財政破綻を3つのステージに分けて考えています。

【日本国の財政破綻の3つのステージ】
第1ステージ 国債価格が下落して金利が上昇する
     ↓
第2ステージ 円安とインフレが進行し、深刻な金融危機が起き、国家債務の膨張が止まらなくなる
     ↓
最終ステージ(国家破産) 日本政府が国債のデフォルトを宣告し、IMFの管理下に入る

3つのステージのうち、まず第1ステージについて考えます。

 

国家の財政危機はいついかなる場合でも国債価格の下落、すなわち金利の上昇からはじまります。低金利のまま円安が進んだり、ゆるやかなインフレになったりするだけなら経済が回復しますから、原理的に財政破綻は起こりません。

金利が高くなってきたとき、どのような金融商品を持っていればいいのでしょうか。これはものすごく簡単で、普通預金か短期(1~3ヵ月)の定期預金なら市場の変化に乗り遅れることなく金利上昇のメリットを享受できます。逆に長期の定期預金は、低金利のまま資産が固定されてしまうので長短金利が逆ざやになると損をすることになります。年利1%の10年物定期預金を持っていて、金利が大幅に上昇していくことを考えればこれはすぐわかるでしょう(ただしほとんどの定期預金は、ペナルティを払えば中途解約が可能です)。

【金利が上昇するときにお金を預けるなら】
●短期の預金は有利
●長期の預金は不利

それに対して「破滅シナリオ」では地価や株価は確実に下落しますから、金融資産は普通預金に預けておくのが圧倒的に有利なことは明らかです(金融機関の信用リスクが気になるひとは変動金利型の個人向け国債を利用してもいいでしょう)。

金利上昇局面では固定金利が「お宝住宅ローン」に

それでは逆に、お金を借りる場合はどうなるのでしょうか。

金利の上昇局面では、市場に連動する変動金利が不利で、長期固定金利の借入が有利になります。

住宅ローンを借りている場合、ひとたび金利が上がりはじめると、変動金利では返済額が急増してたちまち家計が破綻してしまいます。

たとえば3000万円を金利1%の30年ローンで借りていると毎月の返済額は9万6000円あまりですが、3%では12万6000円、5%では16万1000円と、わずかな金利の上昇でも返済額は急激に増えていきます。

ほとんどの借り手はこのあたりで返済不能になって家計が破綻してしまうでしょうが、歴史的には住宅ローンの金利が5%というのは“低金利”のうちに入ります。新興国では住宅ローン金利は10%程度がふつうで、20%ちかいことも珍しくありません。財政危機にともなってインフレ率が上昇していけば、このような世界がやってくることは頭に入れておくべきでしょう。

変動金利の借入が家計の破綻を招くのに対して、超長期の固定金利は素晴らしい「資産運用」になります。

たとえば住宅金融支援機構の固定金利住宅ローン「フラット35」を利用すれば、21年以上で年利1.5%程度の低金利で借入をおこせます。このときに金利が上昇して普通預金金利が5%になれば、利息をローン返済の原資にあてることで負担はどんどん軽くなっていきます。

バブル期に保険会社が高金利の予定利回りを保証した生命保険が「お宝保険」と呼ばれましたが、金利上昇局面では固定金利の住宅ローンは「お宝ローン」になるのです。

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【金利が上昇するときにお金を借りるなら】
●固定金利は有利
●変動金利は不利

なお、一般の個人が低利の固定金利ローンを組む機会は日本では住宅ローンか自動車ローン、教育ローンくらいしかありませんが、自営業者やマイクロ法人(自営業者の法人成り)、中小企業の経営者なら国や自治体の事業者向け低利融資を利用できます。自治体によっては地元の事業者を育成するためゼロ金利に近い優遇を行なっているところもあるので、調べてみる価値はあるでしょう(詳細は拙著『貧乏はお金持ち』講談社+α文庫を参照)。