photo by iStock

日本国破綻に備える、とってもカンタンな方法

アベノミクスが失敗しても大丈夫!
アベノミクス最後の3年が始まった。日本の財政健全化は遅々として進まず、社会保障費の増大は留まるところを知らない。国家財政の「破綻」も絵空事とは言えない状況だ。そんな中、作家・橘玲氏の『国家破産はこわくない』(2018年)があらためて注目されている。本当に「こわくない」のか。どうすればいいのか。同書より核心部分を公開する。

アベノミクス「最後の3年」

9月に安倍晋三氏が自民党総裁選に三選し、「最後の3年」が始まりました。いよいよ2012年12月にスタートした「アベノミクス」による大規模な金融緩和政策の「結果」が問われる局面に入ってきたといえるでしょう。

私は2013年3月に『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』を上梓し(現在は『国家破産はこわくない』と改題のうえ、講談社+α文庫所収)、日本経済の未来には次の3つの可能性しかない、と指摘しました。

1 楽観シナリオ
アベノミクスが成功して高度経済成長がふたたびはじまる
2 悲観シナリオ
金融緩和は効果がなく、デフレ不況がこれからもつづく
3 破滅シナリオ
国債価格の暴落(金利の急騰)と高インフレで財政は破綻し、大規模な金融危機が起きて日本経済は大混乱に陥る
 

そしてこのいずれのシナリオでも、損をしたくない保守的な投資家にとっては、金融資産は普通預金に預けておくのが最適戦略であることを示しました(ただし、破滅シナリオでは後述の「第1ステージ」まで)。

幸いなことに2018年10月現在、一部の経済学者や財政学者が警告していたような国債の暴落や財政破綻は起きていません。そればかりか少子高齢化による人手不足もあって、失業率は2.4%(2018年8月現在)とほぼ完全雇用の状態で、求人倍率は1.63倍(同8月)、大学生の就職内定率も9割を超えています(同2月)。その結果、内閣府の調査(2018年8月)では、現在の生活に「満足」とこたえたひとが74.7%と過去最高になりました。

黒田東彦日銀総裁は2013年の就任時に、マネタリーベースを2年間で2倍にし、2%のインフレを実現すると「コミットメント」しましたが、この約束はまったく守られていません。リフレ派は前任の総裁を「物価上昇をコミットしない」とあれだけ罵倒していたのですから、「コミットしたのにぜんぜん物価が上がらない」ことについて説明責任があるはずですが、他人にはきびしく自分に甘いのがこのひとたちの人生のようです。

それでも国民の多くが現状に満足しているのですから、アベノミクスの6年後の評価は、「金融緩和で物価は上げられなかったものの、それなりに成果はあった」ということになるでしょう。